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レクイエム  作者: 猫の祭り
第1章
10/25

 冒険者ギルド

にゃん生は一度きり。

 結局この家にお邪魔することになった。エミネムさんは行く宛がないのならここにおいてくれるとの事。勿論、私には行く宛がないのでシェリの提案に乗る。そしたら、おおいに歓迎された。

 昨日の昼食時に言われたことがいくつかある。

 

 まず、登録証の作成。次に、これからの事とそのために必要なもの。

 登録証については、今持っているのはダメらしい。


 なので、エミネムに連れられやって来ました!!


 ギルドに!!


 昨日の会話を思い出す。


 「ところでミレイ。身分を証明するものはあるのかな?」

 「あるけど」


 登録証を取り出す。


 「はい」


 「これって、あなたの国で発行されたものよね。これはヨハリフォトでは使えないわ。他にはない?世界共通の身分証とか。例えば、商業ギルドカードとか」


 これしか持ってないので首を振る。身分証は基本、各国の王都や街で発行されているものを使うのが普通。だが国同士の戦争や国同士仲が悪いと使えなくなる。そのため、全国共通で発行し、かつ、どこでも使用可能な、ギルドカードと呼ばれているものがある。


 「そう。ミレイはこれからどうするの?学校には行っているのかしら?」


 別の質問を切り出された。


 「じゃあじゃあ、ミレイも私と同じ学校に行こう!!」

 「シェリ、学校じゃなくて学園でしょ。ミレイもどう?」


 怒濤の勢いで詰め寄ってくる二人。背を仰け反り少し困り気味でいるとエミネムさんが口を開く。


 「それを決めるのはミレイ自身よ」

 

 咎められた二人は大人しく椅子に座り直す。エミネムさんのお陰で窮屈な体勢と二人から逃れられた私は、二人がどこの学校に行くのか聞いてみることにした。私的には、リベルクローツ魔導学園がいい。


 「セレナとシェリはどういったところに行くの?」


 二人の代わりにエミネムさんが答えてくれた。


 「この子達はね、魔導学園に行くのよ。将来冒険者になって困ってる人の助けをするの!!って言って聞かなくてね」

 

 魔導学園か。学校ではなく学園。魔導学園というならリベルクローツだけだから、指しているのはリベルクローツ。リベルクローツは相当有名で、出身国関係なし、種族関係なしに様々な人が来る。

そんな魔導学園。どの国も手を出せなかった土地を国同が協力し造り上げた。

 確信的ではあるが、確実ではないので一応聞いてみる。


 「その魔導学園っていうのは?」


 二人揃った声で


 「「リベルクローツ」」 

 

 そう言った。

 よしっ!!

 答えを聞いた私は内心でガッツポーズ。


 「み、ミレイ?どうしたの?」 


 挙動不審が出ていたみたい。すっごく恥ずかしい…


 んっと咳払いをしてどうするか結論を出す。


 「私も行くよ。魔導学園リベルクローツに」


 大喜びのセレナとシェリ、困り気味のエミネム。


 「それは構わないけど…でもいいの?娘と同じところで」


 last answerを求めてくる。

 が、私の決意は変わらない。なので言い切る。


 「私はリベルクローツでいい。じゃなくて、リベルクローツがいいの。それに、もしかしたら……)

 

 あの人がいるかもしれない。突然姿を消した……あの人が。

 

 「それに?何かしら?」


 後半声が出ていたようで、続きを待つ三人。 


 「何でもない、何でもない!!」 


 慌てて取り繕う。これが完全に聞かれていたとしたら、恥ずかしさで野垂れ死んでいたわ……。

 

 「分かったわ。なら明日、冒険者ギルドに身分証と入学手続きをしに行きましょ。」


 エミネムが言うもぱっとしない。

 冒険者ギルド?

 何故、冒険者ギルドなのかしら?

 

 「だって身分証無いんでしょ?じゃあ冒険者ギルドで作った方が早いわ。それに、リベルクローツでの手続きも簡単になるのよ」

 成る程、平行してするわけだ。



 そして今に至る。ここは大きな通りがっており、出店やらなんやらが並んで活気付いていた。

 

 「ここの通りを右に行くと冒険者ギルドがあるのよ」


 エミネムの言ったとおりに大きな建造物が見えてきた。近くまで来ると周辺には様々な人がいる。女性もいるにはいるが、男性が多いのは明らか。各々気に入った武器を身に付けていて、いかにもという感じだ。

 エミネムさんは人混みを縫うようにして受付へと進む。


 「おはようございます。エミネムさん」

 「おはよう、ティナ」

 「エミネムさん、そちらは?」


 20代前半くらいの受付嬢が話しかけてきた。ショートヘアーがよく似合っている。


 「この子はミレイよ」


 「私は、ミレイ・カズサ」

 「そう。ミレイちゃんね、よろしくね。私はティナよ」


 受付台から身を乗り出して、満面の笑みで挨拶してくる。

 ちゃん付けされた。今までされたことがないので居心地が悪く身を捩る。 

 今すぐ訂正しないと……とんでもないことになる!!というか追々めんどくさそう。


 「ちゃん付けは止めてください」

 「可愛いからいいじゃない。ポニーテールも似合っているし、これからが大変そうね」

 「??」


 微笑んで私を見るけど、いまいち意味が理解できなかった。


 「それで、ティナ。冒険者ギルドのギルドカードを身分証としてこの子に作りたいのだけど、今大丈夫かしら?」

 「ええ、大丈夫ですよ。個室に案内します」


 ティナさんの後を進んでいく。


 「ここで座って待っていてください」


 うん。なんか個室に案内され、お茶を出してからここで待つよう言われた。奥からは書類を漁る音がする。微かに見える位置から把握すると、綺麗に整頓されてはいても関連する資料が多すぎるためか、取り出すのに時間が少し掛かっている。

 暫く待っていると目的のものがあったのか、書類を持って椅子に腰掛ける。


 「これにいろいろ記入してもらえますか?」

 

 私に書類を出す。

 わ、私?

 えっ、これ私が書くのん?と、エミネムさんに目を向けると頷かれた。

 私が書くのね…

 言われた通りに記入していく。


 名前 ミレイ・カズサ

 年齢 13歳 

 職業

 冒険者ランク 

 

 備考


 書き終わった書類を見る。

 うん。

 年齢が年齢だから書けることは少ないね。メインのこれは。他には出身地や親族等々書けることは書いた。書き終えた書類をティナさんに渡す。


 「では、この冥碑に触れてください。これに触れることで、あなたの魔力をギルドカードと冥碑に記憶させ、ギルドカードを冥碑に登録します。これは各街や国等とリンクされています。」


 冥碑に手を乗せる。すると冥碑が光を放つ。


 「これで登録は完了です。これがあなたのギルドカードです。紛失の際はその旨を話してください。5,000Glで再発行します。他に用はありますか?」


 噛み砕いた説明を終え、他に用がないか聞く。

 私にはあまり分からないので、エミネムさんが答える。

 

 「ティナ、学校への手続きをしたいのよ」


 それに驚きの表情をするも、すぐに直し話し始める。


 「分かりました。どこへ行くんですか?」

 「リベルクローツよ」

 「魔導学園ですかぁ。ちなみにいつ入学予定ですか?」


 ティナが冥碑に触れ手続きを進めていく。


 「ミレイ、セレナとシェリは来月からだけど一緒でもいいかしら?」

 「私は大丈夫よ。それで」


 困った顔で聞いてくるので、問題ないことをエミネムさんに伝える。


 「来月はまだ定員、空いてるかしら?」

 「ええ。大丈夫みたいですよ。」

 「それでお願いするわ。」

 「分かりました。来月に魔導学園リベルクローツで入学試験で間違いありませんね」

 「ええ。よろしく」


 どんどん勝手に話が進んでいく。

 とある疑問が頭から離れないのでティナに質問する。試験についてだ。


 「学費を払わなくていい代わりに、試験を実施し入学するに相応しいかどうかを試すのは知ってるけど、その概要は?」

 「第一試験が学科。第二試験が実技。これらの成績の合計が定められた点以上だと合格。そこまでは知っているよね」

 「はい。自分の点がランクに繋がることも」

 

 説明する手間が省けたとばかりに溜め息をつく。

 ちょっ、何その露骨な反応。

 

 「学科はこの世界の常識。実技は魔力の性質、魔方陣の構築速度と使える魔法の規模。人によっては剣術、体術、射撃能力。最後に演習。これでランクが決まる。それと、」


 衝撃の発言をティナさんがするので目を見開いてしまう。

 開いた口が閉じない状態を初めて体験した。実技試験のなかに演習があるんだ……気を付けよ……。

 あっ……ほっほら、あれよ。恥ずかしいところは見せられないでしょ。そゆこと。OK?

  

 「以上で説明を終わるけど、分かったかしら?」

 

 十分わかったので頷く。  

 

 「では、来月の10日にリベルクローツへお越しください。」 

刀のところまで書いたら長くなりそうなので、途中で切ります。

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