灼熱色のリング ー1ー
「一体どこから間違えたのだろうか?」
『あの出来事』があった時から俺の心の底にはこの言葉が残っている。
きっとこの言葉は誰でも思う言葉だろう。
「あの時こうしてれば」
とか
「なんでやらなかったんだ」
とか、悔む事は誰でも有ることだ絶対に。ただ、俺の場合は他の人と違って絶対に戻せない物が零れ落ちて行ってしまった上に要らないものまで手に入れてしまったことだろう。
俺にあった普通のものを。そして、この俺の要らない体質も。
取り戻したくても取り戻す事が出来ない物を足掻いても無駄な大切な物を零してしまった。
「どうしてこうなってしまったんだろうか?」
俺は答えの出ない言葉を呟くだけだった。
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「どうしてこうなっちまったんだろう」
「うん? なんか言ったか南旗?」
南旗はビックリした。
「いっ、いや?なんか言ったか俺?」
「いや、どうしてこうなったんだ?みたいなこと言ってたから気になったんだけど…まさかお前これわかんないのか?」
彼から目を逸らし黒板に目を向けると意味不な数学の文字が書いてあった。
「うっげ、わかんねぇ」
彼は南旗の顔を見ながら呆れた様に溜め息をつく。
「変な妄想するのはいいけど勉強はしなきゃな南旗」
「すまん、教えて下さい」
「うむ、宜しい。顔を上げぃ」
彼と南旗は顔を合わせると直ぐに彼は態勢を黒板に戻す。
それと同時に先生もこちらを向く。
ビックリするぐらい鮮やかな手捌きだった。
これが俺らの日常で普通だった。
第二の『あの出来事』が起こるまでは。
これが俺こと南旗 剣炉と彼女、沙神 鈴香が出会う数時間前の出来事だ。
今は少ないですが次から多くして行きますので宜しくお願いいたします。