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未練  作者: 木田悠花
1章 抱える想い
8/12

課せられた仕事②

俺は女子の実力がわからないということで、サイドコートで試合をしてもらうことにした。

これで、簡単な個人の能力やチームバランスもわかる。

縛りとしては、時間を三分交代でチームを入れ替える。こうすることで早い試合展開が見れる。

とりあえず、三十分ほど様子見としてやっていたが、俺は不自然なチームプレイが多いと思った。

確か、女子のチーム方針としては機動力とそれに見合うランニングプレイだと思っていた。

なのにほとんどがセットプレイでセンターにボールを集めてシュートを狙う。

センターとガード以外はほとんどリバウンドのみ。しかしセンター以外は背が低く

1チャンスのオフェンスで終わってしまっている。これは問題ありまくりだ。

このチームの欠点は身長が小さいことだ。一番でかいので170ないだろう。

これでは、勝てる試合も勝てないで終わってしまう。


「ちょっといいかな?」

俺は、これ以上は意味がないと判断して手を鳴らしタイマーをとめた。

「今から、グループを変えてもらうから。スタメンを中心に5チームになって。

 そのあと、各スタメンにはガードをやってもらうから」


「え?」や「何言ってるんだろう?」などと、皆からの疑問が多い。

まあ、それもそうだろう。元々のガードは問題ないが、現時点でのセンターやフォワードにはガードをやるだけの

能力は持ち合わせていない。


「木田先輩、質問です」


「なんだい、キャプテン」


「センターの美鈴やフォワードの咲夜や私はガードの経験がないのに

 どうやってガードのポジションをやれっていうんですか?」


キャプテンの片桐叶乃か。我が強そうな子だな。

まあ引っ張ってくってタイプみたいだし、それにフォワード向きだわこれは。

確かにガードになんて向かないだろう。足も速いらしいし、完全に1対1では有効な才能だ。

それでこの子も杉本さんと同じく地区選抜のはず。さっきの試合を見ていると何となく体力がない気がする。

ところどころ、休んでる部分もあったみたいだし。でも、おそらくレベルは高い。


「それは自分たちで考えて。ポジションが違うからといって

 自分たちのやるべきことは同じだよ。ただ、誰がフィニッシャーをやるかの違いだよ」


「はあ・・・」


あんまり、わかってないな。これでわかったらいい選手になるのに。

このメンバーチェンジの意図をわかった人はたぶん、一人か。んーもう一人くらいは

最初からわかってほしかったなあ。


「時間もないから始めるよ。タイマー、時間流して。えーと5分で交代」



この練習の意味に気付いているのは、杉本さんだけ。 

それもわかっているからこそ、ほかの人にはまだ言わない。

精神的にもあの子はもう俺たち引退した三年と同じ領域か。身震いするよ。

末恐ろしいね。でも、楽しみだ。ほかにも何人か面白い子がいるし。うん、いいねえ。


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