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課せられた仕事①
田島先生は俺の喧嘩を買ったあと、全員を集合させてあらためて紹介した。
「今日から1ヶ月、無料で女子の指導をする木田だ。みんなも知ってのとおりの引退した先輩だ。」
「紹介にあずかりました木田です。男子には申し訳ないけど、女子を専門に指導します。」
「えー」という男子の声と「やったー」という女子の声が混じる。
あー俺、けっこーモテてたのかな?と思ってもいいのだろうか?悩みどころだ。
「ちなみに、1ヶ月の目標は男子をバスケでボッコボコなんでよろしく。」
「え、マジで!」
「うるさい、作間。くたばれ。」
「うわ、ヒド!」
作間かあ、こいつは地区内の選抜に入るくらいだしそれなりにメンドイな。
でも、精神的に衰えてるってか、悲しいやつなんだよ。
「そうだ、作間。お前に頼まれてたプレッシャーの件、考えたぞ。」
「マジで!」
「女子との試合負けたら、今の彼女と別れろ。即刻その場で。」
「マジでかよ!!」
マジしか言えない悲しい現代人だなこいつ。だから国語を教えてと俺に泣きつくんだよ。
「じゃあ、紹介はこれくらいで。女子は木田の練習に従うように。以上!」
さあ、始めましょうか