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仮面が外れる夜

作者: TOMMY
掲載日:2025/10/31

妖怪も幽霊も、怪人も宇宙人も、

今日は堂々とこの世界を歩ける。


普段は見つかれば悲鳴が上がり、

お祓いを受け、肩身の狭い思いをする。

けれどハロウィンだけは違う。


人々は仮面をつけ、笑い、褒める。

狼男が歩けば「いい毛並みだね」と言われ、

吸血鬼には「かっこいい牙だね」と歓声が向く。

地縛霊もエイリアングレイも、みんなべた褒めされる。最高の気分だ。


人間と肩を組み、子供たちの歓声に心が踊る。

毎日がこんなに楽しかったらいいのに。


人間たちには知ってほしい。

我々は怖がらせるつもりなど一切ないことを。


人間は差異を見つければ恐れ、排除しようとする。

だがそれは防衛本能が未知を拒むだけのこと。

なぜハロウィンの日だけはその本能が緩むのか、

我々は長年研究してきた。


三匹の妖が路地で小声で議論した。

ある者は「衣装のせいだ」と言い、

別の者は「仮面こそが安心材料だ」と反論する。


吸血鬼は居心地の良さに笑い、

地縛霊は子供の手に触れられて頰が熱くなっている。


結論を出す寸前、月明かりの下で子供が大声で笑った。

その笑いがあまりに純粋で、我々の問いはふっと軽くなった。


「今年こそは秘密を解き明かす!」と誰かが言った。

だが答えを求める熱意は、祭りの楽しさに溶けていく。


だって、こんなに楽しくて、とっても嬉しいのだから。私は頭の刺さったネジを少しだけゆるめた。


来年こそは解明しよう。

たぶん、また忘れてしまうだろうけれど。

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