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AOI 第54話

 めずらしく、久しぶりに、部屋で勉強している。暖房をかけて。足には、暖かくなるマットをしいて。頭寒足熱が良しとはされているから、暖房は少し控えめにした。半てんを羽織って。宿題をひろげたけれど、いてもたってもいられなくなって、のあちゃんにLINEした。

 (詳しく聞かせて)

 って、送信した。数学の問題を1行読んで、次の行に進もうとしたところで、のあちゃんから電話がきた。すぐに電話をマイクにして

机に置いた。のあちゃんは、明るい声で、

 (電話しちゃった。)

 って。私は、なぜか、笑って電話に出てしまった。なにせ、のあちゃんと電話で話をするのは、はじめてなのでね。緊張する。塾に行っても、休み時間や帰り時間や、合計しても1日1時間も話をしていない。同中でもないのに、話を続ける事ができるのか、不安しかなかった。私が、変な事を話してしまわないかとか考えてしまった。そんな中、のあちゃんは、ゆっくりと、

 「実はね…」

 と、話しをはじめてくれた。男の子達とのLINE交換の夜に、翔太君からLINEがあって、電話してもいい?と聞かれて、OKしたらすぐに電話がきて、告白されたんだって。その場では、のあちゃんは、少し考えさせてほしいと話をしたんだって。その夜は、すごくすごく悩んだって。だけれど、次の日、塾へ行くと隣の席で、気まづいなと思ってしまい。でも、座らなきゃだから、座ったけれど、何事もなかったように、まわりの男の子達と同じトーンで、いつもの、おはようだったんだって。目があっても、逸らさずに、その時、のあちゃん、気まづさが一気に払拭されて、楽な気持ちになったんだって、で、この人いいかもと思ったんだって。話の途中途中で相槌をうっていた私は、キャーと叫んでしまい、のあちゃんは大笑いした。

 「そう言う事になりました。」

 と、のあちゃんは締めくくった。私は、

 「おめでとうこざいます。」

 と、言って、のあちゃんは、

 「ありがとう。」

 と、言って、また、2人で笑った。翔太君とこれから電話をすることになっているから、その前に私と話せて良かったと言って、また、明日ねと、電話を切った。それを聞いて私は、キャーと心の中で叫んだ。私が知らない所で、といっても、塾がはじまって何日かで、ラブストーリーがはじまっていたとは。のあちゃんだって、会って何日かしかたっていない私に、相談してもというところだよね。寝落ちばかりの私にね。のあちゃん翔太君、まったくそんなところを見せずに、まわりの男の子達もいつもと変わらずだったな。と、思い出していた。

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