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第参話 謎解き

次々と明らかになるカードの内容に各々考察をしながらも新たな手がかりを欲した者達は勿論、順番待ちをしている者に急かされるように席から立ち上がった人物がいた。

それが児玉であった。手にカードを持ち、周囲に見せている。


「「伍番:司祭長」は俺だな。父性や信頼、協調性を表すカードだ。裏の内容は「時を計る旗印の元に存在する商店に向かえ」と書いてある。場所の検討は付かないし、行って何をすべきなのかも不明な事も多い。それは他カードも一緒だと思うけどな」


「まぁ、玉ちゃんにはそのカードがピッタリだよね。じゃあ、次は?お客様の中に陸番のカードをお持ちの方はいらっしゃいますかー?」


光莉の声かけが室内に響き渡るものの返事をする者は現れなかった。

しかし、異変がおこったのも事実でありある人物が顔を真っ赤にしプルプルと体を震わせている。

その後、周囲の目線に耐えきれなくなったのか?大声でこう言った。


「あぁ!!そうだよ!!俺が「陸番:恋人達」のカードを持ってる!なんだよ、皆んな微笑ましそうな顔して。読み上げるぞ「舞手に相応しい仮面を用意せよ。役柄は雨の花嫁、醜女、小面である」と書いてある。...これ、青葉の物と繋がってないか?あぁ、済まない。考察は後でにする。それと安心してもらって構わない。俺は仮面を用意する算段がついている」


「ほら、トッキーは顔が良いから。容姿端麗な奴はそのカードが似合うんじゃないか?俺、次のカード誰だか分かったぞ。光莉の姉さんだよな?」


旭の声かけに合わせ、光莉はカードを持った手を高く挙げた。

その中には「漆番:戦車」の存在があった。


「大当たり!これさ、その人じゃないと絶対にクリア出来ない課題が書かれてると思うんだよね。最初シャッフルしても変わらないだろうなって皆んなで話合ってたんだけど、そうじゃないっぽい。内容は「潮風に乗り古の湯浴み処を目指せ」だって。いや、これね。私、分かったかもしれない。詩的に書いてあるけど多分、そのままの意味だと思う。直感だけどね」


そのあと、望海が次のカードの持ち主に耳打ちをしている。

小さなその体で一生懸命、彼女の声を聞き逃さないように聞き耳のポーズを取っているようだ。


「流石です、零央様。はやり、速さは正義という事ですよね。ピッタリなカードだと思います。書かれてる事読めますか?」


「うん!えっとね「捌番:正義」?のカードはれおがもってるよ。くるりんぱするとね「きみのおともだちは、おそらにいるよ。みんなのラッキーボーイ。なかよくしてあげて」だって!れお、おともだちたくさんつくりたいな」


「子供用に律儀に全て平仮名で書いてあるみたいだな。お空?ラッキーボーイ?なんだか、出て来そうで出で来ないんだよな。そう言う人物に会いに行けって事なんだろうか?」


児玉が首を傾げ、自分達の担当場所に関連のありそうな所はないか頭を悩ませてる間に次の人物が端的に静かに内容の説明を始めた。


「あぁ...えっと、まだ折り返し地点も行ってないし。分かりきってる事だから素早く言うけど「仇番:隠者」のカードは僕が持ってる。「さまのこが立ち並ぶ石畳を抜けた先にある鳳凰橋を目指せ」が目的地なのだとしたらある程度検討はついてる。恐らく彼処」


「流石、白鷹。因みに“さまのこ”は現地の言葉で千本格子って意味ね。細かい縦状の模様が入ったフェンスの事。そう感じるとそれぞれの文章の本来の意味が段々分かってくるかも」


希輝から有力なヒントが出たにも関わらず、ずっとカードの文章を見つめ睨めっこをしている人物がいた。

それが隼であり、隣の席にいた颯に肘を突かれるまで分かってなかったようである。


「ほら、次。お前の番だぞ。順番待ちしてる奴らを待たせるなよ」


「すみません、集中してて。望海達には昨日見せたけど「拾番:運命」のカードは俺が持ってる。「昼間の北極星を探し静寂の場所へ向かえ」...夜の北極星なら分かるけど、昼間ってどう言う事だ?静寂って颯先輩家の書庫みたいな場所って事?ダメだ、思いつかない」


「大丈夫だよ、隼。何も一人で全部考えなくて良いんだ。俺のもさっぱりわからないしさ。こう言う時こそ仲間同士で協力し合わないと。とりあえず、朱鷺田や白鷹なんかは何か手応えがあるみたいだから力を貸して貰えばいいだろうし」


山岸の意見に賛同するように周囲の人々も頷いている。

そんな中で朱鷺田は全てのカードの内容が揃い次第、グループを分けたいと申し出てきた。

何やら共通点のような物を彼は感じたらしく、同じ指示が出ている同士で纏めたいという考えがあるようだ。


「じゃあ、次。私で良いかしら?咲ちゃんじゃなくて、良かったのかしらね?「拾壱番:力」を持ってるのは私、葦原瑞穂よ。よろしくね。えっと、お願い事は「千の葉、銀杏が生い茂る漆黒の将校へ向かえ」ってなってるんだけど多分、彼処だと思うの。これって、現地に向かう人達と何かを準備する人達で分かれてるんでしょうね」


「じゃあ、俺は訪問組って事になるな。「拾弐番:刑死者」は颯様にお似合いのカードなんだと。忍耐とか崖っぷちを意味するカードだな。「大金を得た後、地上に浮かぶ星を目指せ」って書いてあった。山岸や隼と同じく星って書かれてはいるけどそれぞれ意味合いが違いすぎるな。大金も現金なのか?何かの比喩表現なのか?は不明だ」


「では次は私ですね。「拾参番:死神」は初嶺朧が持ち合わせています。カードの内容ですが「内陸に存在する、海の一族が集う場所に向かえ」との事です。これもまた矛盾した文章ですね。ですが、比良坂町は海や川に面した地域が多い。消去法で探し当てる事も不可能では無いと思います」


今回のカードの紹介で大雑把ではあるが、相手の目的が見えて来たようである。

詳細が掴めた者もいれば、淡い考えの者もいると言うのが現状だ。

しかし、どんな考えを持とうとも時は待ってはくれない。

また、次から次にと新たな使命が出てくるのであった。

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