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23話 『大きな小鳥を見ませんでしたか?』

まだまだ続く狂乱騒ぎ!

―――クラディ 視点―――


姫様が焼き鳥を作っていた。

勿論、どんな肉かはわからないので食べない。

……だから口の中にお肉を突っ込まないで。


姫様(ひへはは)やめて(はへへ)!!」

「男は強くあれとてれびの中の人間も言っていたぞ!!さぁ、肉を食え!!」

「……麻美……怨むよ?」


あぁ……何の肉か分からないけど飲み込んじゃったよ……。


「……ん?うまい」

「えぇと、味付けは塩ね。で、この肉は……」


アレ?急に静止したけどどうしたのかな?

まさか、異常事態とかもう嫌だよ?

ハルク?ハルク!!

さぁ、怒らないから話してみてくれ!!


「鳩ね」

「丁度、修行に鳩を捕まえていたのでな。丁度よかったのだ」


……なんて物を食わせるんだこの人は……。

まぁ、食べれない事も無いんだけども、せめて熱湯消毒して欲しかった。


「これは……」

「ふん」

「ハルク、もう一度」

(フン)


さぁ、姫様に文句の一つでも言ってやろうじゃないか。


「姫様?」

「あぁ、何だ?その……アレだ。うまそうだったから……だ!!」

「だ!!じゃない。何て物食わせてるんですか!!」

「うまいと言っていただろう!」

「アレは知らなかったらです!」

「何を言うか!知っていたらこのうまさを知らなかっただろう」

「糞を食べるよりマシです」

「糞食いのクラ。や~い、糞食いのクラ!!」

「糞料理の姫様、やめてください」

「何か、すごく傷ついた……」


自業自得、うんこの言葉いいね。


何か、関心していたら、糞料理は飽きたのか適当な兵士にニコニコ顔で食わせ処理していた。

悲惨だな。


「料理だ!私は料理に目覚めた!」


まぁ、失敗はしないと思うんだけど、教える人なんて……。


「ルー、ルー、教えてくれ」

「ど、土下座なさらなくても……」

「あぁっ、ついでに私も!」

「ハルクさん……」


おろおろしているルーさん。

とりあえずこっちを見ないで欲しい。


「いいんじゃない?」

「……そう言うなら……。では、食堂へ……」


何か、すごく恨めしそうにこっちを見ていたけどどうして?

ねぇ?

大丈夫、姫様が料理できるようになったら給料が上乗せされるよ?


廊下を歩いていると、怪しい集団を見つける。

アレは、仕事を放棄しているフィーカだ。

今、思うと、いやずっと思っていたんだけど頭の悪い行動しかしていないような気がする。


「さぁ、姫様!一緒に天へと召されましょう」

「死んでるぞ。私は料理―――しまった……」

「料理……私は……作れない……私も参加ぁ!!」


……ボフストへ。


早く帰って来てください。

彼女らの異様さは、この大陸で一位か二位だと思います。

それ以外の人は彼女らに比べたらまだ常人です。


よかったね、姉さん。


「何か悪口聞こえた気がするよ?ね?ね?」

「丁度いい、シャルシャも来い。クラへの愛を決める戦いだ!!」


なんて戦いにしてくれてるの!

そこで、姉さんは何故瞳を輝かせて俺に催眠術みたいのを掛けてるの!

効かないからねっ!


「ほら、行くぞ」


無理矢理手を引っ張られ食堂へ連れて行かされる。

そして、無理矢理椅子に座らされフォークとナイフを持たされる。

まだ、料理は出てこないでしょう。


「えぇと、この中に料理が初めてという人は……」

「私は始めてだよ?だよ?」

「私もだ」


さて、二人。

ルーさんはここからどうやって上達させるんだろう。

まぁ、俺は静かに待たせてもらおう。


疲れた体を休ませる為、俺は机へひれ伏し眠りについた。





―――ルーファン 視点―――


開始、三分ほどで調理場が破壊されました。

文字通りの意味で、クラ様もきょろきょろと見渡し姫様を見つけると怒っていました。

何故、破壊した犯人がわかるんでしょうか?


「……調理器具を使わずに料理するなんて無謀でしょう」

「いや、できる!できるはずだ!」


鍋を使わずに油を注ぎ、火事になって小麦粉で消そうとして、無理で、卵を投げつけ、無理で……。

色々試していたようですが、料理はそれでは作れません。


「料理は飽きた。さぁ、修行の旅……またの名を愛の逃避行へ出るぞ!」

「……ルーさん、帰りましょう」

「なぁっ!私よりもルーを取るというのか!!」

「少し、頭を冷やしましょう」


私も、そう思います。

私の主人は一応クラ様なのでクラ様に付いて行くのですが……この状況で付いて行くのは少し気が引けます。


「姫様、謝ったほうが……」

「悪いことなんぞしておらん!!」

「はぁ……」


まぁ、この形が”いつも”なので気にしなくてもいいでしょう。


そう判断し、私はクラ様の後へ付いて行った。





―――クラディ 視点―――


本を読む。

実に有意義な時間をぶち壊す破壊神がやってきた。

いや、文字通りの破壊神だ。

姫様じゃない。


「クハハハ、そんな顔すんなって。礼を言いに来たんだぜ?」

「この顔をしているのは俺が本を読んでいる最中にノックもなしに入ってきたからです」

「本ねぇ。俺は興味ねぇな。ククク、まぁいいさ。実刑を逃れれたのはあんた等のおかげだ礼を言う」

「何か、騎士みたいな言葉だな」

「そう、騎士さ。目的も無くなっちまったからなぁ」


……毛布に包まっているのに寒気がする。


「ここの騎士になる事に決めたぜ。クハハハハ」

「狂っている!!この国は狂っている!!」


あ、でも、こいつはこの国で人は一人も殺していない。

……でも、王家の宝を盗んだよな?


「何で、実刑を逃れれるんだよ!!」

「そりゃぁ、宝を取り返したからだろ?」


はい?

え、敵国へ宝を運んでなかったってこと?

いや、取り返したって言ってたな……。


「ククク、わかってねぇな。最近、カシロアの商店が他の国にまた補給を開始しただろ?」

「まぁ」

「俺が、その前に食料と宝を交換したってわけさ」

「コイツ、脱走してたっ!?」


い、いつの間に?

あれから、もう一度牢屋に入れたはずなんだけど。


「まぁ、気にするな。クハハハハ、じゃあな」


……気になる。

まぁ、いいか。


「もっと、この本の続きが気になるか―――」


―――バンッ


「クラッ!!」

「ルーさん、閉めて」

「はい」


ルーさんが姫様は中に入れ、扉を閉める。

……酷い……。


「で、クラよ」

「でって何ですか。何の続きですか」

「一々聞くな。お披露目の日が決まった。そして、今日お前は貴族になる!!」

「って、いきなりですね」

「前々から決まっていたが驚かそうと思ってな」


この人は馬鹿なんじゃないだろうか?

心の準備って何ですか?とか、思ってるんじゃないだろうか。

しっかりとした人間になってもらいたいものだ。


「一応、驚いているんですけど、服とかどうするんですか?」

「……それでいいんじゃないか?」

「いや、ダメでしょう」


仕立てするのに何時間掛かると思ってんだこの人は……。

王族には専用の仕立屋とか色々あって、すぐ作ってもらえるけどさ、こっちは無理だよ?

ねぇ、どうすればいいの?


「……それでいいんじゃないか?」

「……ダメだ。この服でいい気がしてきた……」


こうやって姫様の性格がうつっていくのか……。


何だか、悲しいような……でも、泣かないよ。


「ミケに服を描いてもらってこよっと」

「……何だかんだで便利な能力だな……」


さて、一応貴族っぽい格好にはなったんだが、言葉使いなどにも気をつけなくてはいけない。

姫様相手ではいつもの口調になってしまうので、ルーさん相手に練習する。


「では、始めますね。……汝、クラディ・ネクストはこの国の一角となり手足となる事を誓うか?」

「……誓い―――」

「面倒な儀式だな」


……姫様は、ミケに預けよう。


「で、では……。汝、―――中略―――誓うか?」

「誓います」

「では、偉大なる世界神アルトペカ様に―――」

「世界神?聞いたこと無いよ?ねぇねぇ、それって空想の神様じゃないのかな?かな?」

「ミケ、大変だと思うけど二人をお願い」

「……死ぬ覚悟で挑みます」


とりあえず、無事に生還して欲しい。


「で、では……―――(中略)―――汝の我が国への忠義を認め、貴族と―――」

「姫様、姫様大変です!!」


……騒がしいなぁ……。


さて、現実逃避はここまでにして、その大変というのを聞かせてもらおうか。


「……動物と疎通(そつう)できるという少年が現れました」


何の前兆も無いな。

とりあえず、姫様が反応するわけないの……え?


「うぅむ、これは鳩を殺してしまった償いをしろという誰かの陰謀か……」

「割と本気で考えてる……」

「姿は?」

「銀色の短い髪、整った顔立ちをしていて、メイドに人気です!!」


最後のいらないな。


「能力じゃないの?」

「……あ、言ってなかった?」


突然、姉さん(偽)が、反応する。


「まじめに話してるからって(偽)ってつけるんじゃなぁっい!!と、怒るのはここまで。螺子(ネジ)を嵌め込んじゃったから能力はもう使えないよ?」

「……ミケは使えてたけど?」

「この世界に認められてないし。不適合者(イレギュラー)だし。ね?ね?使えないんだよ?」


……えぇと、何だか嫌な予感というか何と言うか……寒気がするんだけど……。


この時の、俺はこれから再会する友人(?)の事を完全に忘れていた。





……見たことのある髪。見たことのある顔。見たことのある服。

うん、銀狐さん久しぶり。


「……お前か」

「人違いです。姫様、助けて人違いなのに睨まれてるよ」

「……知り合いか?」


思いっきり首を振る。

違う、違うんだ!

って言うか、何で捕まってるの!?


「何で捕まってるの?」

「知らない。私は同胞を助けただけだからね」

「同胞?」

「同じ穴の狢ってやつさ」


……まぁ、色々と大変ってことはわかったけど、こうやって縛られてこの王都にきている意味がわからない。


「……少し揉めそうだな……。コイツの身柄を一時私に渡してくれないか?」


あぁ、また厄介事か。

って言うか、今回は俺も関わりがあるからな……。


「名前。クラだったか?この縄を解いてくれないかな?」

「……何やったの?」


とりあえず、恩とか色々無視して交渉してみよう。

命を救ってもらったわけだけど、何か悪い事をしたなら反省してもらわなければいけない。


「……領主のクソ餓鬼に噛み付いただけだが……どうかしたのか?」

「……何で?」

「無闇に私の住処を荒らすから。狩りなんてやらないで欲しいね」


あぁ、だから人間の姿で抗議に行って捕まったと……。

悪いことなんてしてない。うん、厄介事なんて無い。よし。


「何……森での狩りはギルドに登録者しかやってはいけない決まりなのだが……」


あぁ、まだ厄介事か……。


「父上に言っておく。お前は無罪なのだからな。ところで……」


ん?厄介事が遠ざかっていく。

姫様も疲れたのか?


「お前は誰だ?」

「そう言えば、名前聞いてないね」

「……人間に名乗る名など無い」

「何を言うか。これでも半分魔族の血が混じっているのだぞ!!」


いや、それは言わなくていいから……。


「クラは何かわからんが偉い奴の血が混じっているのだ!!」

「まぁ、何なのかわからないってのは認めますが、酷いですね……」

「……要領を得ない説明ではわからない」


縄を解きながら細々とした説明をしていく。

自分でいい聞かせている部分もあって、少し心が絞まるような気分になったが説明し終えると、素直に礼を言って来る銀狐。

いい人(?)だ。


「……では……導こう」


……?

意味がわからないんだが……。

目を静かに瞑る銀狐。


「……名前。名前はどうしたんだぁああ!!」


ビクッと体を震わせる銀狐。いや、そんなに大声で言わなくても……。


「……何でもいい。私に名前なんてない」

「では、ギンよ。何処へ導くのだ。死へ導くとか言ったらお前の髪の毛を一本一本抜いて禿げにしてやるぞ」

「ギン……ね。いいよ。私が導くのは世界の核みたいなところかな。魔王が城を作った場所だよ」


……通りで。

世界の核は、姉さんに聞いた範囲では普通ではいけない場所。

そこで生まれた一人の魔族が同族を生み出し世界の核を操って侵略しにきたと……。

そして、姉さんの意思で動かされた魔法使いの男がクハハと笑いながら勇者共々殺された。

そんな場所に何の用だろうか?

俺は行きたくないんだが……。


「……小さな小鳥。大きな怪鳥。もうすぐ来るよ。世界の厄災が……」

「いきなりだな。面白い、受けて立とう」


立たないから!

いや、立ってから逃げよう!

姫様は今、能力を使えないんだよ?

不適合者(イレギュラー)の俺とミケとクロは別にして、危険だ。


「今回ばかりは敵が悪いよ」

「争いこと人の原点。世界の原点を叩き潰せば自然にそれも消えるのだ!!」


そうすると、俺たちも消えちゃうから!!

何を考えているんだこの姫様は……。


「厄災とか言ったな。どんな内容だ?」

「……魔王の復活。さらに協力になって生き返ってくるよ」

「クラ、世界壊せ。無くなった物を復元させたんだ、生き返るのを防ぐぐらいできるだろう」

「それぐらいなら……『召喚(サモン)』」


短く書き上げる。

すると、文字が軋み始め、破裂する。


「……えぇと?」

「復活を妨げる事は不可。ならば戦おう……なぁ、クラよ?」

「い、嫌だ。逃げよう。ね。ね?」


世界を守っていた(?)力も通じないんだよ?

って言うか、何で次から次へと来るかな……。


「大きな小鳥が鳴く時、復活する。これ予言。とりあえず数攻めも無理な状況だよ。だから私は魔王城を破壊する事にした」


……どういう意味だ?


「基礎から崩していくという事か。復活する場所が無ければ復活できないという事だ」

「……罠とかあるんじゃないの?」

「外側から破壊すればいいだろう」


……どの道行くのは確定?

……フィーカに頼もう。


「……睡眠不足なので」


なんて理由を引っ張り出してくるんだ。

だったら、俺だって胃の調子が悪いんだよ。


「ボフストが何故いないんだ!!」


せめて、精神的に楽にさせて……。


ここは城の一番西の部屋なのだが、足音が聞こえてくる。

明らかにこの部屋を目指している足音は、部屋の前で止まりノックす―――


―――ガァアンスカッ


「……おっと、壊しちまった。クハハハ」

「これ以上、人が通常できないような光景を見せないで……」


ミケ……ミケは……。


「うわぁあああ!!」


発狂していた……。


「うにゃ、大変そうね。ウハハハ」

「クロ、俺の変わりに姫様とぅぅぅ……首が……絞まる……ガハッ……」


天国ってどっちにあるんですか?


『後書きと言う名の雑談会』


作『はぁ……一応調査プロフィール終わりで……』

シタ『とりあえず、抜け穴があるのは決定だ。と言うわけで修正へ行け』

作『クラ……何か姫さんが酷いことを言ってくるんだけど』

クラ『最近、俺の扱いが酷い』

作『こっちはこっちで不満がッ!!』

フー『……何だかわかりませんが、平和ですね』

クラ『何処をどう見れば平和なんだ……いや、今までからして平和な方だ……』

作『……騒ぎを……』

クラ『入れるの?入れないの?』

作『そんなわかりきっていることを言うわけないじゃないか』

クラ『これは……どっちなんだ……』

シタ『さて、新婚生活も―――』

クラ『いつの間に結婚したの!?』

シタ『……いつ、結婚するんだ作者!!』

作『……今は言えない……。後ろから殺気を感じるから……』

フー『…………』

クラ『俺も感じる……』

シタ『……次回予告行こうか』

作『お、オー。ってわけでクラ、どうぞ』

クラ『お、おう。任せろ!!』


クラ『不穏ではあるけど……何だか慣れてきた……。次回!『魔王城とか魔王とか』……話をゆっくりと進めてくれ』

作『さぁて、執筆へ行こうかな』

シタ『私とクラの絆は騒ぎがある事に強くなって行く……』

フー『私と姫様の絆も……』

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