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幻想奇譚

菊祭り

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

書く書く詐欺をしていた幻想奇譚です。

海は緑だとも思ってますよ。


コンポートが食べたいです。

先日は文化の日である故に、丸天井を眺めて過ごしました。近代的な人工星夜。ですので本日は思考を変えて、古き良き時代を拝見したいと存じます。

駅を降りて目的地へと向かう程に、夢を見ている様に思えます。視界がとろりと溶けて、そのまま水の中へと沈んで行くかの如く。

そんな揺蕩う様に道を彷徨うと、祭事の気配が致しました。どうやら今月は花の御祭である様で。

幾つかの菊の鉢植えが大なり小なり庭先を彩って御座います。既に咲き誇っておいでのものは鞠のように花弁を膨らませ、まだ花開かぬものは小さな身をぎゅっと寄せて風に靡いております。その単色の花束を拝見して、思わず玉飾りを連想してしまいます。この花々を着物に添えたらさぞお綺麗で御座いましょう。

そんな事をぼんやりと考えていたら、菊のお召し物を纏ったお方にお会い致しました。

着物の生地に至る全てが完全なる菊の花。模様は全て、色違いの花弁を組み合わせて縫われております。精巧な菊人形で御座います。

「良い召し物を着ているでしょう?」

「えぇ。とても」

声を掛けられるままに後ろを振り向くと、背の高いお方が慈しむ様にご覧になっておいでです。梅香の君、この庭の主人様。

梅香の君は橋に掛けらた白菊を一瞥なさると、鷹揚に微笑んでおります。

「この時期はね、菊祭りが盛んに行われるんだ。勿論、此処だけでなく全国の神社で。過ごし易い時期は花見をするに最適だ」

梅香の君は視線をただ注がれております。馳せるのは、過去の情景で御座いましょうか? 梅香の君は梅を愛した事で知られるお方では御座いますが、松も桜も、菊に至ってはご自分で栽培する程情を捧げたお方であるとお聞きしております。

「でもまだ多くは蕾。これから楽しみだね」

「えぇ。咲き誇りましたら、白波の如き光景をご覧になられますでしょう。そうして感性に色を添えるのも、日本の文化の一つであると存じております」

それまで僅かばかりの辛抱で御座います。きっと来週には一つ、二つと花開き、白波が作られるで御座いましょう。

ふとそうして思いを馳せると、秋風が頬を撫でます。髪が靡くほどの、全てを舞い上がらせる程の強風。そうして踊る緑の茎。

「いや……今は波のない穏やかな海のようだね」

神無月も終わり、嬉々として神社巡りしてます。

※出雲系列の御前しか出雲大社に向かわない聞いてますが、よく分かりません。天津神だけ向かうとかいう逸話もあるので。


菊の鉢植えを見て、細い体に頭がぽんっと乗った感じなので、

綺麗だけど、垂れないか心配。

と思った本日です。


んでもって連想するのはやっぱり和歌なんですよ。

粋な方故、下賜なさると思ったら、しっかりなさって下さいました。言葉に過不足がない。そんなところが大好きです。


渡に和歌の才能があったら、菊合わせしてそうですね。

でもそこまでの才能は無いので、『貴方様の詩は知ってますよ』程度に留めてます。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 情景描写がとても綺麗で惹き込まれました。明確な起承転結の構造がないからこそ、物語の雰囲気に想いを寄せられたのだと思います。素敵な作品をありがとうございます!
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