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私と君で勝ち取った平和  作者: 荒川三橋
二章・私たちの話
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出発だ

あれから五年が経ち私は何もできない無力な自分を変える努力が絶えない日々を送った。短剣術、魔法の基礎と状況に応じて必要になる複合魔法と体術。両親も必要なものにお金を使うことを惜しまなかった。


小さな図書館を開けるほどの地図と各地域の文化や街、とにかく頭に叩き込めるだけ詰め込んだ。そして、その間に妹の目撃情報は一切耳に入ることはなかったが、同じように姿をくらませた人たちがたくさんいることを知った。人類の天敵の本城に妹達は捉えられているようだ。捉えらて人たちがどんな目にあってるかは想像することぐらいしかできないが、丁重に扱われてるとは到底思えない。12時を知らせる金がなると同時に私はベッドから立ち上がり荷物を背負って部屋を出た。今日は朝から両親が用事で出てるから家には誰もいない。


少し残念だが、このまま家を出ることになりそうだ。外に出ると家の前には黒で塗られたような漆黒の馬が用意されており私は軽くお辞儀をし馬に騎乗する。蔵の中には大量の金貨と父愛用していた弓が掛けてあった。父は私の旅立ちのために用意してくれたのだだろう。ありがたく受け取り出発することにした。


「必ず助け出す。待たせて本当にごめん」そう心の中でつぶやくと私は門を開き勢いよく馬が走り出した。西に並ぶ山々の方に視線を向けると目的地である城が聳え立っている。ここから魔王の城は近いという理由もあるが、単純い城が異常にでかいのだ。悪魔の総本山とは思えないような美しい造形でその周囲も自然豊かで大きな川と海のように広い花畑がある。私はそんな風景に見惚れながら草原をかけた。


しばらく走ると見渡す限り広がる草原を抜け、大きな岩が立ち並ぶエリアに入っていった。魔王の城は目前まで近づいてきたのだが一向に到着しない。私はしばらく岩の近くで焚き火を作って休息を取ることにした。体と頭をこれでもかと鍛えてきたが、怖くないと言えば嘘になる。近々城へ攻め込む噂も信憑性の高い情報も手に入れているが、いつ決行されるかはどれだけ調べても残念ながらわからなかった。人が足を踏み入れたこともないような場所なのに勝算はあるのだろうか?そういえば、魔法の勉強をしてる時に奇跡のような力を開花させる魔導士が時々誕生するのだとか。


「まあ、信憑性の薄いほぼおとぎ話のようなものだけど」でも、もし本当にそれだけの力があるのならできればそのゴタゴタに乗じて妹を救い出しかったが、いつまでも待ちたくない。いや、待たせたくない。もう待たせすぎてしまっている。明日も長い1日になりそうだから、今日はここで一晩過ごすことにしよう。

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