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5話「スタローンとお祖父ちゃんどっちの方が好き」って、聞かれたけどね結婚するなら「祖父さん」じゃよ。

今日はお婆ちゃんと街へデートなの、お婆ちゃんが昔からファンだったスタローンの映画「ランボー ラストブラッド」


昔からの「ランボー」シリーズでおそらくシリーズの最終回の可能性が高い作品なのよね……


私としては昔のパワフルな「ランボー」が好きだけど今回は老いた「ランボー」が頭脳で戦う作品、お婆ちゃん喜んでくれるかな?


私としては、老いたスタローンに減滅してくれると嬉しいんだけど、……


◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆


今日は三春と、街のモールの一角の映画館に行く事になったんじゃが、最近の映画館は随分と変わったものじゃな。


ワタシの映画館のイメージではすし詰め状態じゃったり、一枚のチケットで何作も見たりしたものじゃった。


ただ、このこじんまりとした劇場で指定された心地良いシートで観れるとは、なかなか良いものじゃな。


また、三春と映画を観る場合一人の料金ですむというわけで、実に良しじゃな。


というわけで、三春が見せてくれる。

スタローンの最新作「 ランボー ラストブラッド」……わぁお……感動じゃな……


ワタシはスタローンの映画を観るのに、カッコ良さだけでなく、テーマに沿って観るようにしているのじゃ、元々は「ランボー」シリーズはランボーの激しい戦いと、哀愁漂う独特な雰囲気が持ち味、……

前作でもランボーの老いを描かれていたけど、今回は更に老いたという設定で、アメリカで静かに暮らしていると、家族が出来て(友人の孫娘と暮らす事になり、親子のように生活を送っていた)、その孫娘が実の父に会うため家を飛び出したのだが、その愛する娘は拉致されてしまった。

その娘を助けるため、……そして、……戦うという話か、……


涙が溢れてきたよ、……


「ランボー」のシリーズで、涙を流すのは初めてじゃが、……


なぜじゃ、……スタローン、……

最愛の孫娘、……スタローン、……

……「暫く」……


ああ、そうか、……


ワタシもいつかは最愛の孫娘の自立を見送る時が来るのじゃな。


今の三春は、ワタシが居なくてもやって行けるじゃろう、……


三春はワタシが居るから、なくてはならないと勘違いしているだけなのじゃ。


三春は一人で自立していたかもしれない、……本来そうあるべきなのじゃ。

環境が変われば、人は変わるのが常じゃからな……。


今の三春なら、自分に自信があるじゃろう、ワタシがいなくなれば本当の自立が出来るじゃろうな。


死神203号さんは、暫くしたら三春は自立出来る。

その頃が、ワタシがこの世を去るのに丁度良いのでは、と言ってたのじゃな。


ただ、三春はワタシの事が好きすぎるが、……


若さによる、感情の暴走なのじゃろう。


それに、ワタシとの考えが違う事もあるじゃろうし、ワタシという存在が邪魔になる事もあるじゃろう、……うむ!


その時が、別れる時、……じゃな。


それで、ワタシは私自身良いのか?


いや、ワタシは既に死んでいるのじゃ、……


何より、ワタシがこのまま過ごしていると、ワタシの存在が確実に邪魔になる。


それは死ぬより、嫌じゃ、……


ちなみに今、この映画ではクライマックスに入り、ランボーらしい戦いが始まるのだが、隣では三春が驚愕の表情で見ている。


ランボーは、一作目から作品数を重ねるとほど、過激な殺戮シーンを増やしていっている事でも評判になっておるし、さらにテレビより刺激が強いから驚いているんじゃろう。


ワタシは、一作目のファーストブラッドの最後のシーンでスタローンの迫真の演技で完全にファンになったから、大丈夫じゃが……


三春は、……顔を伏せておるよ、……


ワタシのために、ごめんね、……


最終的に、この戦いはランボーにとって最も辛い戦いであっただろう、思えば彼はずっと「孤独」で、この映画で完結するなら、彼は……

というエンディングじゃった。


「ランボー」の哀愁は、今のワタシには重たい、……




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