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異世界転移は唐突に!?

(ガチの)初投稿です。

(ムゲンクライム初心者なので)初投稿です。

「待たせたな…恭弥(キョウヤ)


「遅かったな、英司(エイジ)


デュエルスペースからそう声をかけて来たのは、どんな女でも惚れるであろうイケメン(自称)は遠藤恭弥(えんどうきょうや)。そして俺が黒木英司(くろきえいじ)、俺達は生粋のデュエリストだ。

互いにライバルとして認め合った俺達は、幼年期から共に過ごした親友であり“デュエルマスターズ”と言うカードゲームを大学に進学してもプレイする唯一の相手だった。


同じ大学に進学した俺達はデュエリスト同好会を立ち上げたが、誰も加入する事も無く大学からは部活として認可され無かった。

だからこうして、二人でカードショップに通っているのだが。


「ここは戦場(デュエルスペース)、数多の決闘者(デュエリスト)が自らの信じた武器(デッキ)で争う場所、飲食はNGだぜ英司」


「悪りぃ悪りぃ、今日昼飯食ってなくて」


俺達は鞄からデッキを取り出す。


「俺が使うのは新デッキ、5cボルメテウスだ!」


「恭弥はずっとボルメテウスだな…俺は新発売のムゲンクライムギュウジンマルで」


「ムゲンクライムねぇ、興味はあるけど……ってまたギュウジンマルかよ」


「お前のボルメテと一緒だよ……ムゲンクライム使う気は無いんだろ?」


「流石親友(エイジ)。俺新しいデッキは嫌いでよぉ?」


「嘘つけ!バリバリモモキング入ってたじゃねぇか…金ないだけだろ?」


「ははは、その通りだ!!バイトクビになっちまった!」


涙を浮かべ笑う恭介、バイトをクビになって良く喜べるよなと感心する。

かと言う俺もバイトを辞め、フリマアプリでやり繰りしているのだが。


「ま、始めるか」


「そうだな…じゃあ先行後攻を決めるぞ、ジャンケン…」



<_勇者様、貴方の力を貸してください!!_>


キィィィンと、耳障りなノイズのような声がする。

頭に響いて超痛い。


「誰だよ異世界アニメ高音で流してる奴!」


「何も聞こえないけどどうした英司?」


「は?聞こえないか?この雑音…?」


ザザ…ザザザと砂嵐のようなノイズが耳を裂く。

恭介の耳が悪いのか?それともご丁寧にモスキートーンで流してくれてる奴か?

超絶迷惑、是非辞めていただきたい!!


<_貴方を此方に召喚します、勇者様はご自分の武器を離さないでください!_>


ノイズが酷く聞き取りにくいが綺麗な女の声だ、こんな声の声優居ただろうか?

…てか武器ってなんだよ、余りにも煩いので耳栓をしたいがデュエルの邪魔すぎる

てか店員は何やってるんだ?カードショップで大音量でアニメ見る迷惑客は当然、出禁だろ。

それでも動かないどころか顔色一つ変えていない。


「まさか本当に俺しか聞こえないのか?」


「本当にどうした英司?具合が悪いのか?」


「いや大丈


カッ!っと目の前が真っ白になる。

爆弾でも近所に落ちたのかと言う熱量と身体が浮遊しているような違和感を感じるが奇妙な事に苦痛は感じない。

マジで何が起きてるんだ?デッキは?俺の青黒ムゲンクライムは?










…………はっ。













気が付くとそこは建物の中だった。

いやカードショップもビルの一フロアだし変わらないのだが違和感がある。


「ここは…………」


まず雪の様に白い床。

それでしか言い表せない様な純白、カードショップの椅子を引きずりまくって傷付いた床とは大違いだ。

それに座りにくい丸椅子も無い、デュエルをする机すら無いのはおかしいだろう。

それに……恭介が居ない、前に居たはずの恭介が居ないとなるとここはカードショップでは無い。

一体、何処なんだ?まさかテレポートでもしたと言うのか?


「ようやく起きてくださいましたか!勇者様!」


此方に駆け寄って来たのは床と同じく雪の様に純白の髪を腰辺りまで延ばし、背丈よりも大きい禍々しい杖を持った女性だった。


「いやすっげぇ美人!?」


考えていた事全てが頭から消え去り、思わず声に出てしまう、いやそれも仕方ないだろう。

まるでアニメキャラクターの様に整った顔にその…モデル顔負けの素晴らしいスタイル。何処がとは言ってない。

俺が生きて来て初めて見る雪の様な白髪、まさに超絶美人だ。

冴えないインキャの俺が出会う相手では無いんじゃ無いか?


「お褒め頂き光栄です勇者様」


ふふ、と可愛らしい表情で微笑む女性。

……ん?今俺の事を勇者様と呼んだか?……そうだ!ノイズが酷く聞き取りにくかったが間違えなくこの声だ、カードショップで聞こえた声の正体は!!


「一体ここは何処なんですか?」


…まさか馬鹿な話、異世界転生が本当にある訳無いだろう。

恭介が美人な彼女の自慢の為にドッキリでもしかけて来たのだろう。

アイツめ。良い彼女見つけたじゃねぇか!!俺は彼女いない歴=年だクソ野郎!!


「ここは《イェイスト・カーセル》、このデイセナティアの東に位置する大国です。」


「……ごめん、何も分からない」


「そうですよね、勇者様は別の世界から来てくださったんですものね…申し訳ございません、このフロウ一生の不覚でございます…」


デイセナティア?イェイストカーセル、知るか設定が壮大すぎるんじゃ!

はよネタバラシをしろ!デュエルの続きを始めようぜ!


「貴方様は異世界からこの世界(デイセナティア)を救う為に召喚された勇者様なのです、デイセナティアには4つの大国が存在し…」


「え?俺異世界に来たの?」


「……はい、その通りでございます」


マジかよ!?マジで来ちゃったよ異世界!!

あれだろ!チートで俺つええええええええして可愛い子とイチャラブ出来るんだろ!?

宝くじに当たった様なもんじゃねぇか!!早く恭介に自慢してやろう!!


「このまま一回帰れる?」


「……申し訳ございませんがその方法はわかりません」


……あれ?異世界って自由に行き来出来ないわけ?

それってもしかしてずっとこの世界に居ることになるの?

家族にも、恭介にも会えなくなるのか?

……いや、恭介は俺の前に居た、巻き添え召喚はお約束だろ!!


「え、召喚されたのって俺だけ?」


「そうです。」


………………終わった。



「……………そうか」


俺は知らない世界で、何も持たずに呼び出され、大好きだった親友とも離れ離れ。

俺を育ててくれた親には何も感謝できず、いつも煩い姉とも会えなくなってしまった。


「…うっ…うううう……!!」


「勇者様…!?何処か体調が悪いのですか…!?」


「俺“は“ぁ”!!な”に“も”出”来“て”な“い“…!!」


俺は、やり残した事が沢山ある、出来る事なら元の世界に戻りたい。

幾らハーレム出来ても、家族や親友が居ない世界で楽しむなんて俺には出来ない。


俺は…



「おっと勇者様、元の世界に帰る方法は御座いますよッ!!」


門が開き、白い女とは真逆の黒い装束を纏い、同じく黒い眼鏡を掛けた男が現れた。

手を大きく広げた彼の姿はまさしくゲームキャラの司祭、


「本当か!?帰る手段はあるんだよな!?」


「ブライド…貴方、そんな方「大魔王ギランを倒せば、異世界への門が開きます。そこに入れば貴方様は元の世界に戻れるでしょう」


「ブライドッ…!」


大魔王を倒せば元の世界に戻れるとは、お決まりのパターンとは違うのか。

勇者の力があるなら魔王くらい倒せるだろう、倒して、元の世界に戻ろうじゃないか。


「あんたを信じて良いんだよな?」


「えぇ、この宮廷魔導師”ブライド・アークライド“の名に置いて約束致しましょう」


俺には、白い彼女の顔がまるでそれが真実では無いかの様に曇るのが見えた。

でも俺はこの男を信じるしか無い。

武器なんて何も持っておらず、ただ鞄しか持ってない俺が勇者の力を持っているのかすらわからない。

だが…元の世界に戻れる手段があるなら少しくらい楽しんでも良いかもしれない…よな?


「さて、では能力開示(ステータス・オープン)と言ってみてください」


「こう…か?ステータスオープン!」


____________________________________________________


黒木英司 Lv-1

HP-62/62

SP-10/50

-ジョブ、<勇者>_この職業は変更出来ません_

-状態異常無し

______________


-スキル-

[勇者]、[大天使の加護]、[眷属召喚]、[星属性行使]、[従属]、[自動回復+]、[痛覚減少]、[神託者]、[アイテムボックス∞]、[スキルアップ]


_____________________________________________________


「おおおおおお!!流石勇者様です!!ステータスもレベル1とは思えない素晴らしい才能ゥゥ!!」


「マジか!俺強いのか!」


「えぇ素晴らしいですよッ!……召喚スキルが多いのが気になりますがそれ以外はまさしく勇者そのものです!」


やっぱり異世界に来た奴は強いのか!!

てか痛覚減少があるのが実は超嬉しい!俺痛いの嫌なんだよね!


「ブライドさんのステータスはどんな感じなんですか?」


「私ですか?能力開示(ステータス・オープン)。」


_________________________________________________________


ブライド・アークライド Lv-52

HP-420/420

SP-9022/9182

-ジョブ、<黒魔導師>

-状態異常無し

______________


-スキル-

[大魔法無詠唱]、[黒蛇の加護]、[黒魔術Ⅲ]、[全属性魔法Ⅴ]


_________________________________________________________


「すごく強いじゃ無いですか!」


「えぇ、この国一番の魔術師ですからね」


SP…魔力の類だろうか、圧倒的な数値だ。

勇者である俺よりもステータスが高いのはレベルの差なのか才能なのか。


「さて、ではこの世界の基礎を教えましょう、ついて来てください」


「はい!」

今は必要ないが、俺のデッキが入った鞄も忘れずに持っていく。

これから俺の旅が始まり、それを恭介に自慢するんだ……!!









*


「ブライド……貴方は……」


私は無力だった。

勇者様も元の世界がある、突然世界に帰れないと”真実“を告げたら彼が悲しむのを分かってたはずだ。

でも彼に嘘は付けなかった、それが彼に対する敬意と召喚への謝罪でもあるからだ。

でもブライドは勇者様に”嘘“を付き、彼を奮起させた。


世界を守る手段としては間違いないかも知れない。

でもそれは……


「私は…どうすれば良いの?」






アストロ宙ノ欲しいよなぁ?欲しいだろぉ!?

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