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共犯に仕立てあげよう!





「家出してきたァ?」


その声にビクンっと肩を震わせる2人。場所はとあるファーストフード店、彼女らを脅していたヤツらが連れていかれたあとその場から割と遠い場所に移ったのだ。


そして今の通りこの2人、家出をしてきたらしい。なにか家で嫌なことでもあったのだろうか?まぁあったのだろうから家出したのだろうな、俺も過去にしたことがあるが帰ったらこっぴどく怒られてしばらく飯の量が減らされた。確かその時家出した理由が俺の好きなおもちゃを壊したからだっけなぁ……おっといけない、俺の話はどうでもいいんだ。まずはこの二人の話を聞かなければ。


「なんで家出したんだァ?別に責めようたって気は無いけどよ」

「……私の両親がクズだからっす。毎日のように両親は喧嘩して、時に私に当たってくるっす。別にそれだけならいいんすけど、クソ親父が夜這いしにきた時もあったりで、あの家にいると身の危険しかないんす」

「それはわかったが、そっちの琉梨(るり)ちゃんはどうしてよ」

「私……?私は興味本位……かなぁ」


随分とのんびりした奴だこと。分かってんのかねぇ……自身の貞操が狙われたってのに、分かってないからあの時笑ってたのかねぇ?


「興味ってお前、家で嫌な事なかったのか?」

「あったわよ、早紀(さき)と同じでうちのバカ親父に夜這いされたの。しかも何回抵抗しても何度もくるし……諦めて出てきたのよ、ついでだから早紀についてきたってだけで」

「貞操は無事だったのか?」

「最初の襲撃から常に両腕に刃物つけてるから。自分も危険だけど私寝返りとか打たないから安全だし」


おっと、思ったより怖い子だった。躊躇いもなくそんなことを実行に移せるってアグレッシブすぎて笑う。それで貞操は守れたのかどうかって聞いたんだがって追求するのはやめた。恐らく潰れるような痛みを味あわせて最初の襲撃は乗り切ったんだろうな、どことは言わないがヒュンってしたよ。


「うんまぁ……身の安全が家にないってなら別にいいかぁ……それでなんで俺に師事をしようと思ったんだ?」

「家出のこと否定しないんですね」

「俺も家出したことあるし」

「太郎さんも!?意外ですね」

「意外もクソもあるか?まだ知り合ってから数時間も経ってないっつの。それよりほら、なんで師事しようとしたのか聞いてんだけど」

「えっとまぁ、さっき言ったようにかっこよくて強かったのもあるんすけど、身を守れるように力が欲しいからっす」


なるほどね、話を聞いてたうちからなんとなく想像はしてたが自衛のため、か。理解はできるがそれでなぜ俺にするのか、助けたのは事実だがちゃんとした施設がある場所でそういうのを習えばいいのに。


「探索者互助組織は使わないのかぁ?」

「入るためのお金が無いんす。ここまでで路銀使い果たしちゃったんすよ」

「なぁるほど、だから俺に、同情してもらうような話をした訳ねえ」

「……ごめんなさい」

「別に構わないよ、その程度のお金なら工面はしてやれる。一度知り合ったからには無視できないからなぁ」

「お人好しっすね、太郎さんは」


そりゃ今俺は地球にいて、人と会話ができてるから心が広いんだよ。しかもお金なら現金以外でなら沢山持ってるしな、それくらいわけないさ。あと、次いでに俺も登録しとくか……うん、遺伝子情報は登録しないから問題ないはず。問題ない……あった、戸籍忘れてたわ、偽造しとくか。


「それで君達って個人情報がわかるようなものは持ってきてるかねぇ?」

「持ってきてないっすけど……」

「やっぱり必要なんだよ、早紀。私たちやっぱり馬鹿だね〜」

「あ、ないのか……仕方がない。偽造してやるから、待ってな」


最近の戸籍もデータで管理するからなぁ。必要な書類はマイナンバーカードか、その程度なら今ここで作れるな。タブレットを操作し彼女らのマイナンバーカードの情報を国のデータベースから回収し、印刷。作成完了。これでよし。


「え、偽造って」

「ほれ、無くすなよォ?」

「……え、本物っすか?」

「分からない、分からないけどここで嘘言う必要がないから恐らく本物……太郎さん、貴方……何者?」

「んー、正直自分でも分からないんだよなぁ」


2人からの視線は凄く懐疑的なものではあるが一応の信用はあるようで黙っていてくれるようだ。それにそんなものを持ってしまった時点で彼女らは共犯だ。黙っているのが正解だからね〜。


「ま、今後ともよろしくねぇ?」

「は、はいっす」

「……油断ならないわね」



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