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ほっぺ


「ふ、ふふふふふ」

「ははははは」


 二人顔を合わせて笑った、ゲラゲラと腹を抱えて……。

 なんか面白い、あんなに嫌いだったのに、あんなに近くにいるのが苦痛だったのに、今は近くに居られる事が嬉しい、一緒に居る事が楽しい。

 

 永遠にこの時間が続けば良いと思える程に……。


「俺さ……マッチングシステムを使って良かったよ」


「……うん……私も……」

 二人で夜景を眺めながら確認しあった。お互いの気持ちを確認しあった。

 後悔していない事を、出会えて良かった事を。


「やっぱり……したい」


「え?」


「俺……やっぱり……瑠と……キスしたい」


「えええ!」

 男らしくはっきりそう言った……っていうか、いきなりする勇気が無かっただけだけど……。


「今?」


「うん……」


「で、でも……改めて言われると……その……恥ずかしい」


「えーーーーさっき寸前まで行ったのに?」


「行ったのにとか言うな! こういう事は雰囲気が大切でしょ!」


「じゃあ……良い景色だねえ」

 そう言われ俺は景色に目線移して言ってみた。


「じゃあって何よ! 白々しい……セリフも棒だし……本当男って最低」

 はい! いただきましたました……久しぶりに瑠の男嫌いの言葉を……なんか言われなければ言われないで心配になるんだよねえ、男って認識されてないんじゃないかって。


「いやでもさ、瑠には指一本触れられないってのは結構キツイんだぜ?」

 他から誘惑が無いわけでは無いだけに正直厳しい……。


「私には? はって何よそれ、桜ちゃんには触れるって意味? 浮気宣言? はーーん、どうぞどうぞやったら良いじゃない、桜ちゃんとでも、菫とでも」


「桜はともかく、高麗川は関係無いだろ」


「桜はともかく……へーー良かったわねえ、童貞捨てられる人がいて」


「ど!」


「ふん!」

 そう言うと瑠は俺に背を向け口元を押さえうつ向く。

 え? や、ヤバい泣いている? 瑠の身体が僅かに震えている。


「え、ご、ごめん」

 俺が他の女の子の事を、桜や高麗川を思い出させる様な事を言ったから?

 俺は瑠の肩を両手で軽く掴み謝りながらこっちを向かせようとした。

 

「うっそーーーー」

 べーーっと舌を出しながら、瑠は俺の方に振り向く。

 そして……。


「隙あり!」


 そう言うと俺に飛び付く様に近付き、徐に俺のほっぺたに自らの唇を当てた。


「え、えええ!」

 

「へへへへ」

 してやったりとした表情、でも瑠の顔は真っ赤になっていた。

 

「──やったな……」

 俺はそう言って瑠のほっぺたを両手でつねる。


「いひゃ、いひゃい、いひゃひゃ、ごめ、ごめんなひゃい」

 マシュマロの様な柔らかいほっぺた……絶対に傷付けない様に慎重につねる。

 そして……。


「仕返し……」

 俺はそう言って……つねるのを止め、そのまま両手で瑠の顔を軽く掴む。

 そして、瑠を……瑠の顔をゆっくりと引き寄せ……。



 俺達は……初めて…………付き合って初めての、いや……人生で初めての……キスをした。





異世界は……誰も読んでくれない……ひょっとして……これも(꒪꒫꒪⌯)

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     新作!         
  同情と恋の違い 元アイドルの美少女が責任を取りたいと僕の前に現れた。          
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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