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ストーカー?


 あははははは、あはははははは……。

 なんか、なんか、どうでもいい、今日は本当にどうでもいいの……。


 五十川君がこの間言ってた事、どういう事なのかあれからずっと考えていた。

 

 私と向き合いたいってどういう意味なんだろう。


 なんかよくわからなかったけど、怒鳴られたけど、でもそれほど悪い気はしなかった。


 私の為に言ってくれたって……それは……それだけはわかったから。


 だから、今日は一緒にいて苦痛じゃなかった……少し楽しかった……なんか本当にデートしたような、そんな気分がした。



 私は彼とわかれて池袋駅に向かって歩いていた。でも向かう先は駅ではない。


「久しぶりだなあ……ふふふ、ふふふふ」

 おっとまずい、つい顔が、声が、ああ、駄目、変な人って思われちゃう。

 駅前で駅には向かわず逆方向に歩く。巨大なビルサンシャインを目指して歩く。

 なるべく来ない様に自粛していた。だってお金一杯使っちゃう、歯止めが効かない、自分の欲望に……。


「今日は仕方ないよね、ついでだもん……」


 私は、はやる心を抑え、私の一番好き場所……聖地乙女ロードに向かった。



◈ ◈ ◈ ◈ ◈



 胸騒ぎしていた……自分の予想が当たったから。


「やっぱり……」


 探偵よろしく俺は彼女の後を追った……ストーカーという言葉が頭を過る。

 仕方ない、これは彼女の為なんだから……自分に、自分の罪悪感にそう言い聞かせる。


「しかし……どこへ向かってるんだ?」

 駅前で右手に曲がり駅の方には行かず反対方向へ歩いている。スキップでもしそうな足取りになんだか複雑気分になった。


「そんな喜ばなくてもいいじゃないか……」

 俺と一緒にいるときよりも3倍増し、赤い彗○かよと思わせるぐらい月夜野の背中から楽しさがにじみ出ている。

 

 商店街を抜け高速道路をくぐると巨大な建物が見えてくる。

 月夜野はそのビルに向かって歩いて行く、何処にも寄らず、ただ一直線に……。


 もし……もし本当に男と会っていたら……そう思うと少しだけ、ほんの少しだけ胸が苦しくなった。

 

 彼女は一直線にサンシャインの横にある商業施設の中に入って行く。

 少し遅れて俺も施設に入った。


「し、しまった……」

 絶対にバレてはいけないという事から距離を置きすぎた、施設の中は少し複雑で死角が多い、休日とあって人も多く彼女を見失ってしまった。


 このまま彼女を探そうか、俺は迷った。しかしこの状況だと、どこかで突然出くわす可能性が高い。こんなストーカー紛いの事がバレたら、それこそオタバレよりも最悪な結果になる。


「止めよう……そもそもこんな事しちゃ駄目だ」

 どんな理由があるにせよ、相手のプライバシーを探るなんて、たとえ本当のカップルだとしてもやっては駄目だ。

 

 俺はそう思い直し外に出た。


「帰るか……」

 彼女が誰と会っているのかは凄く気になる。でもそうじゃない可能性だってある。

 だから俺は彼女から言われる迄知らない振りをしよう、だって俺は彼女の恋人ではないんだから……。


 そう思い駅の方に向かおうとした所で俺はある事を思い出す。

 

 あれ? 確か……この辺って……。


「乙女ロードって言うのがあったよな?」


 スマホで調べると、腐女子の聖地、そしてアニメやゲーム販売している店が周辺に軒を連らねていた。


「おお、こっちに来るなら秋葉に行っちゃってたし、さすがにBLとかは興味がないから気にしなかったけど、普通にオタショップがあるじゃん」

 アニ○イト、まん○らけが普通にある。腐女子向けとはいえ、全てBLじゃないだろうし……俺は女子向け同人も行けるし、百合も好物だし……。


「レア物とかあるかも知れない……でも今日眼鏡とか持って来てないんだよなあ」

 変装出来ない、万が一うちの学校の女子に会ったりでもしたら……。


 俺はそう思ったが、すぐにそれは問題無いと判断した。


「ここで会ったとしても同じ穴の、むじな、だもんな」

 特に女子と会ったとして、俺がこんな所をウロウロしてるという弱味を握られるが、同時にそいつの弱味を俺が握る事になる。

 秋葉原ならまだしも、ここなら早々一般人はいないはず。

 そもそも俺がオタ関係を我慢できる筈もない。


 俺は月夜野よりも、おのれの欲望と好奇心に負け、乙女ロードに向かって歩いて行った。



 

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     新作!         
  同情と恋の違い 元アイドルの美少女が責任を取りたいと僕の前に現れた。          
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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