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第42話:注目の的

どもどもべべでございます!

さて書いたし上げるべ~ってしてた時に、レビューが来てるのはとても心臓に悪い! いい意味で!w

嬉しいのに、自覚が出来なくて嬉しさがついてこない!

ああああ! ありがとうございます~!

という訳でご投稿! どうぞお楽しみあれ~!

 

「はい、肥蜥蜴ヘビーリザード4匹の討伐ですねっ」


 グランアイン、冒険者ギルドにて。

 帰ってきた俺達は、早速討伐依頼の成功を報告した。

 受付がにこやかに対応する。相変わらずの年齢詐称感……パメラ、お前が実は俺よりBBAだって事をギルドの連中が知ったら、どうなるんだろうな。


『余計な事を考えるんじゃないよ? 兎スープにしちまうよ』


『おう上等だコラ、やってみろや!』


 念話で言葉のデッドボールを極め合いながら、パメラは俺らが持ち帰った討伐の証、肥蜥蜴の舌4匹分を見て頷き、書類の準備を始めている。


「あぁ、報酬は3等分にしてほしい」


「わかりましたぁっ」


 あぁ、周囲の受付嬢からハートが飛び交ってるな。

 気持ちはわからんでもない。フロキアは見た目が反則的に良いからな。

 しかも、フロキアの後ろからはハノンが顔を覗かせている。威力は倍だと思って良いだろう。


「あら、ワタクシ正規のパーティメンバーではありませんことよ?」


「お前が一匹は仕留めた。等分以外認めないよ」


「ん、ん(コクコク)」


 ま、そりゃそうだよな。

 オリアンティがいなければ、ハノンの魔法は完成せず、また戦闘も苦労しただろう。

 助っ人が報酬をもらうのは当然だ。そこんとこはこいつも理解してるだろうに……ハノンを試したか? 食えない奴だ。


「ええ、えぇ、そういう事ならば貰ってあげてもよくってよ! オォーッホッホッホ!!」


 とまぁ、オリアンティが騒ぐもんだから……ギルド内の視線が、こちらに集中していくのを感じる。

 何事か? という視線から、フロキアやハノン、オリアンティに対する熱っぽい視線など、様々だ。さっさとここから離れたほうが良さそうだな。


「うわ、なにあの三人組……パーティ? 顔面偏差値高すぎない?」


「俺、あん中入って比べられたら、自殺する自信あるわ……」


「ていうかあの子可愛くない!? 小動物が小動物を頭に乗せてるんだけど!」


「え、え、フロキアさんパーティ組んだって、あの3人組のホラじゃなかったの? 私ら袖にされたのに……」


「……いい乳だ……」


 うぅん、これは何とも。

 3人とも、見てくれはやったら整ってるからなぁ。そりゃあ目立つか。


「あ、あう……」


 ハノンが俺を頭から降ろして抱き、顔を首の付け根に埋める。

 視線が苦手なハノンは、俺を盾にして見られないようにしたらしい。けどな、ハノン……


「「「ぐはあぁ!」」」


 そういう仕草はな、不特定多数の人物には逆効果だったりするんだよ。

 あ~あ~、視線がギラギラ照り付けてくるのがわかるぜ。


「もう少々お待ちを~?」


 くっそパメラお前、面白がって時間引き伸ばしとかすんなよ!?

 目立つなって言ってたのはアルバートなんだからな、そこんとこ考えろよ!


「いよぅフロキア! こりゃまたどういう風の吹き回しだい?」


 そんな浮足立った空気を斬って、一人の人物がこちらに近づいてくる。


「……アマネか」


「目上にはさんをつけな」


「一応同格にはなったからな。これまで通りさ」


「ふんっ、相変わらずいけすかないねぇ」


 へぇ、銀貨級の……確か、【雨の癒し】っつうパーティのリーダーだったかな。

 そして、依頼初日にハノンを凝視していた女だ。アマネって名前までは把握してなかったが。

 アマネと呼ばれた女は、フロキアとオリアンティ、そしてハノンに視線を流した後、ニヤリと笑う。


「アンタがパーティ組んだって噂が流れてたから、まさかと思ってたけど……本当だとはねぇ?」


「一人の限界を学んだという事さ」


「ハッハッハ! 謙虚になったもんだ。ゴブリンが余程こたえたかい?」


「想像にお任せするよ」


 会話自体は一方的で素っ気ない。最初にハノンと会った時のフロキアだ。

 だが、アマネは気にした様子はない。どうやら、これがフロキアのデフォだってのはわかっているらしい。


「私は正規のメンバーではありません事よ? パーティはこの2人と1匹ですわっ」


「へぇ? しかしアンタも見ない顔だね」


「当然ですわ! ワタクシはこぉんな山間の田舎町ではなく、煌びやかなアーケンラーブの町から来たのですもの! オォーッホッホッホ!」


 おいやめろ、自覚無く喧嘩を売っていくな。

 雨の癒しのリーダーがこの程度で怒るこたぁないだろうが、後ろの連中がピリッと来てる!


「ふふ、アーケンラーブか。確かに良い町だ……人が多い分ゴミが多いから、下水掃除が儲かるんだってね?」


「は?」


「ォ、オリィさん……だめ、ですよ?」


「フシッ、フシッ」


 こいつ煽り耐性0かよ!?

 なんで堂々とケンカ売っておいて、返された皮肉一つでマジギレしそうなわけ!?

 ハノンが止めてなかったら魔法の1つでもぶち込んでそうな顔してやがる……!


「……ふんっ、庶民の戯言故に聞き流しますが、出鱈目を吹聴するのは控えて欲しいものですわね!」


「悪かったね、気を付けるさ。……坊やも、すまなかったね?」


「っ……い、いえ……あの、はい」


 ハノンは、やはりというかなんというか、縮こまってしまっているな。

 オリアンティみたいに、怯える間もなくドカドカと上がり込んでくるような奴とはある程度打ち解けも早いんだが……やはり人見知りはそうそう改善せんか。


「あの3人が言ってたけど……その角兎、やたらと強いそうじゃないか? あのスラムの掃除といい、不思議な子だとは思っていたんだ。……フロキアみたいな独り身とパーティ組んじまうのも含めて、中々どうして底が見えないねぇ」


「あ、あ、ぅ……」


「その位にしてもらおうか。彼は少々、近すぎるのが苦手なきらいがある」


「へぇ? 随分とご執心じゃないか」


「あぁ、私は彼を好いているからね。彼の嫌な事は極力排除するつもりだ」


 その瞬間……ギルドの空気が変わった。

 否、ギルドの女の空気、かな。

 その場にいるほぼ全員が、刺し貫くような視線でフロキアとハノンを見たのだ。

 中には、飲んでいた果実水をこぼして「ガタッ」と立ち上がり、中腰のまま身内に制されてる者もいる。


「……なるほどねぇ」


 アマネもまた、瞳を細める。

 なんだ、この感じ?


「…………」


 後ろからも、視線。

 見てみれば、数人の受付嬢が深淵の如き瞳で、フロキアを見ていた。

 この、感じ……いや、覚えが、ある。

 生前の俺とアルバートが、ギルドで言い争いしていたり、依頼の達成を祝ったりしていた時、よくこういった視線に晒されていた。

 刺すような、ではない。まるで、泥を投げつけられたようにこびりつく視線。


「……右は……どっち……?」


「新たな勢力ね……」


「だめ、私は生涯ヴォル×アル派……!」


 なんだ? こいつらは何を言っている?

 わからん、わからんが……コワイ!


「……等分は終わったか?」


「はいは~い」


 そんな空気の中、フロキアがパメラに確認を取る。

 受付嬢は、慌てて3等分した報酬を差し出してきた。1人頭、銀貨5枚と銅貨12枚。まぁ、打倒だな。

 そして一瞬後、空間全体の嫌な空気は払しょくされていた。

 まるで、何事もなかったかのように、全員が普通の状態に戻っている。


「すまない。それじゃあハノンくん、オリィ、行こうか」


「は、はい……あの、ありがとうございましたっ」


「フンっ、なんなのかしら?」


 結局俺らは、この空気に耐えられなくなり、そそくさとギルドを後にする事になる。


「時間とらせたね、フロキア! 今度埋め合わせさせてもらうよっ」


「しばらくはいい。彼と交流を深めたいからね」


 それだけ言い残し、フロキアは扉を閉めた。

 通いなれたギルドだというのに……まるで、ダンジョンの中にいたかのような緊張感だった。

 

すみません、ちょいと伏線の練りが甘かったので、ここの文章を少し変えました。

新米受付嬢ではなく、パメラさんに変更しています。すみませんでした!

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