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世代交代  作者: 砥左 じろう
7/92

登板

俺たち支倉シニアの試合は第2試合なので前の試合をバックネット裏から眺めていた。

この試合に勝った方と次の試合で当たることになるからだ。

だが、まずは目の前の相手を倒さなくてはならない。なので俺と正捕手の拓哉さんは外で体を動かして準備を始めていた。


ワーという歓声が俺たちのいるところまで聞こえてきた。

おそらく試合が終わったのだろう。と思った矢先、チームメイトで同学年の佐藤誉がダッシュでこちらに向かってきて勝者を告げた。

「浅川シニアが勝った‼」

「マジか⁉」

思わず俺と拓哉さんの声が重なってしまうほどかなり驚いていた。次の対戦相手が中山シニアになると思っていたからだ。

スコアは4対3だったらしい。

「この予想外の展開について考えるのは後にするとして、試合に向かうぞ」

と拓哉さんに言われ俺は集中力を取り戻した。

今日も先週と同じグラウンドでプレーするので、この間のホームランを自然と思い出していた。

まっ、今日は先発投手なんだけどさ。

相手の投手が投球練習を終え、試合が始まった。

今日のうちの打順も基本的には変わらない。零さんのところに3年生の橋本さんが入っているだけでほぼ同じだ。


先頭の颯馬は3球目を捉えたもののセンターの正面に飛んだライナーでアウトだった。

けど当たりは良かったし、次の打席も期待できそうな内容だった。

2番の璉さんはフルカウントからの6球目を見て四球で出塁した。

3番の宗さんの打席で初球からエンドランのサインが出ていた。

マジかよ。まだ初回だぜ。監督ガチだな。

カウントを取りにきた甘いストレートを捉えた打球は右中間を真っ二つに割るタイムリースリーベースとなった。

あっさり先制した。


うちのチームは拓哉さんや颯馬やトミーが目立ちがちだが、璉さんや宗さんの活躍も大きいことは見逃せないと思う。

4番の拓哉さんがキッチリとレフト後方へ打ち上げて2点目が入った。

続くトミーはホームランを狙ったんだろうけど、若干ポイントがズレてしまい特大のセンターフライに終わった。だがかなりの飛距離だった。

結局俺まで回ってこなかったのでマウンドへ向かった。


軽く足場を均してから投球練習を始めるとドッと球場が湧いた。

俺見たさに足を運んでいる人たちがいることは知っている。

この対戦相手じゃあんまりアピールにならない気はするが、キチンと投げ切るつもりだ。

そして1球目を投じるため、お父さんそっくりの投球モーショーンに入った。

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