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世代交代  作者: 砥左 じろう
63/92

1点の重み

5回の表に突入している。

2番の杉山さんはライトフライに倒れた。

今は3番の橋舘が打席に入っている。昨日、ホテルのロビーで話しているときにも思ったことだが、橋舘の身体は小学生だったときに出会った頃とは別人のように大きくなっていた。

2年前はパワーヒッターというよりアベレージヒッターなイメージだったが、今打席にいる橋舘は明らかにパワーヒッターになっている。

でも選球眼の良さとかバットコントロールの上手さは変わっていない。単純に身体が大きくなってパワーが付いただけか。


マウンドの川上さんは橋舘を打ち取るのに苦労しているように見える。

結局7球粘られた末、四球で出塁を許してしまった。

次は4番の喜連さんか。この人はなんというかホームランバッターではなくツーベースを量産するタイプなんだよな。

恐さで言えばこのあと俺が対戦する松前さんの方が上なんだろうけど、打ち取りにくさで言うと喜連さんの方が嫌だろうな。


その喜連さんは2回に先制のきっかけとなるツーベースを放っている。

強気にもバッテリーはインコース主体の攻めをしている。

結果は……フォークを引っ掛けてのセカンドゴロ併殺打だった。

強気の攻めで喜連さんを打ち取った。

マウンドの川上さんの表情からは自信が見て取れた。


こうなってくると世良も継投を考えるのだろう。

長谷川さんはレフトの守備位置からセンターの沖田へと強めの球でキャッチボールをしているが、ファールグラウンドではリリーフ専門の土門さんもキャッチボールを始めている。

2人ともベンチからの指示だろうけど、投げるとしたら土門さんだろうな。

できることなら長谷川さんに投げさせたくないだろうし……。

何にせよ渉がどこまでいけるのか、それに尽きる。


打順は6番から下位に回る打順だったのもあって渉はすんなりと3人で抑えた。

そして川上さんが5回のマウンドに上がる。

だが中岡も川上さんの疲労を考慮してか、ファールグラウンドで2投手に準備をさせ始めた。


先頭の長谷川さんはピッチャーとして今大会№1との評価を得ている選手だが、打席での振りもかなり鋭いなという印象を受けた。

さすが世良の5番といったところだ。

その長谷川さんは2球目の甘く入ったカーブを捉え左中間へと運んだ。いきなりのツーベースか……。

次の先制の犠牲フライを放っている藤井さんは手堅く送りバントを決めた。

こういう場面できっちりと状況に応じたプレーができる選手が揃っているから世良は強いんだろうな。


ここでバッターは7番ピッチャーの渉だ。

前の打席はフォークに合わず呆気なく三振してたけど大丈夫だろうか?

しかしこの場面、色々なことが考えられる。

1アウトランナー3塁。絶好のスクイズチャンスだ。

それに犠牲フライや内野ゴロでの本塁突入も十分あり得るし、ワイルドピッチやパスボールによる失点も十分考えられる。

野手陣にかかるプレッシャーはかなりのものだと思う。


渉は初球のインコースへのストレートを見送った。

1ストライクからの2球目、今度はアウトコースへのカーブ……これをバントした。

スクイズだったので長谷川さんは迷わずホームへと向かってくる。

渉のバントは見事1塁側に決まり、スクイズ成功となった。


川上さんは悔しそうな仕草を見せていたが、すぐに切り替えたようで後続は絶った。

この辺の精神的強さも川上さんの特徴の1つだ。

今大会の本命と言われている世良を相手に5回2失点。これはすごいことだ。

しかし前の試合でも50球以上投げている川上さんの球数はすでに70球を超えているかもしれない。

もしかしたらこの回が最後のイニングになったのかもしれない

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