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世代交代  作者: 砥左 じろう
51/92

VS浜野シニア

ラインナップに載っている3番ショート『船本海』という名前。

天才肌の大型ショートと呼ばれている船本さんの身長は中学3年生にして184cmと、日本のショートではそうそう見掛けることのない大きさだ。


そんな天才打者船本さんを擁する浜野シニアと対戦する、うちの先発投手はエースの零さんだ。

零さんのボールがどこまで通用するのか気になる。

さっきベンチで、状況によっては自分の登板もあり得ると監督から言われたからだ。

とは言え、俺と零さんはタイプも利き腕も違うので、あまり神経質になる必要はないと思う。


試合が始まった。

リードオフマンの俺の間に立ちはだかるのは相手のエース田中さんだ。

田中さんは最速131kmのサウスポーで多彩な球種を変則的なフォームから投じてくることで知られている。

映像で見たときからタイミングが取りにくそうだなと思っていたが、間近で見るとより一層タイミングが取りにくいと感じる。しかも投球間隔が短いのでポンポン放られているような感じだ。

だからと言って簡単にアウトになるわけにはいかないので必死に俺は食らいついた。

だが結果はセカンドゴロだった。


その後、信介さんと宗さんも揃って凡退した。

正直左打者が攻略するには厳しい相手かもしれないとベンチに戻って見ていて思った。かく言う俺も左打者なわけだが……。


零さんは先頭の1番セカンド多田を見逃し三振に仕留めたものの、続く打者にレフト前へと弾き返され出塁を許した。

そして迎える強打者船本さん。きっと1、2番もいい選手なんだろうけど、正直この人は別格だと思う。

それは試合前の打撃練習を見ていたときから明らかだった。

中学生とは思えないスイングで捉えた打球はロケットのような勢いでスタンドに突き刺さっていた。

それを見ていたバックネット裏のスカウトらしき人達が色めき立つほどすごかったのだ。


注目の初球、インコースの厳しいところを突くストレートでストライクを取った。更にその後3球を重ねカウントは2ストライク2ボールとなった。

そして5球目アウトコース低めいっぱいで見逃し三振を狙いにいったストレートに船本さんはその長い腕を伸ばし反応した。

轟音がドーム内に響き渡り、打球はほんの一瞬で右中間スタンドまで届いた。

センターを守っていた俺とライトの巧は一生懸命追ったが、結局見送ることしか出来なかった……。

異次元すぎる‼


悪い球ではなかったけど、少し高く浮いてしまっていた。

しかし恐ろしい選手だな。

金属バットとはいえ、中学生でフェニックスドームの右中間スタンドに放り込むとは……。山下先輩が言っていた通り驚異的な打撃センスの持ち主だな。

この子のセンスはずば抜けている。

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