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世代交代  作者: 砥左 じろう
33/92

チームプレー

夏の陽射しが厳しくなり始める中、2回に入った。

援護点を貰い緊張の解れた俺は5番の同世代、長門に対してストレートで攻め続け押し切ると、6番7番に対しても力強いストレートで押し切った。

変化球はカーブを1球投げただけだった。

2回の俺たちの攻撃、先頭は俺だ。投球のいい流れを打席に持ち込みたいと思い打っていったがショートゴロだった。

完全に打ち損ないだった。

今日7番に打順を上げている巧は相変わらずの選球眼の良さで四球を選んだ。

8番に入っている守が打席に向かう間、俺はファールゾーンで拓哉さんを相手にチェンジアップを投げ始めていた。近くでチェンジアップの使い手でもある零さんも来てくれた。というか不安になっていたので俺が零さんを呼んだ。

まだ完成していないこの球種にこの試合頼る必要があるのかはわからないが、試すならこの試合しかないというのが現実なので、拓哉さんと零さんのアドバイスを聞きながら試行錯誤を重ね試し続けていた。

攻撃が終わったようだ。点は入らなかったみたい。

マウンドに向かうときに拓哉さんと零さんから言われた言葉を思い浮かべる。

「棒球になることを恐れずに腕を振り切れ。それだけだ」

8番9番に対してはカーブを中心に組み立てカウントを整えるとストレートで押し切る形でアウトにした。

打順は二回り目に入る。

さっき打たれている足川さんか……。臆することなく投げ切る。

初球からチェンジアップを投げる。初回とは見違える精度のチェンジアップだったことに空振りをした足川さんも驚きを隠せずにいた。

内心、俺も驚いていた。

だが守はこれで満足することなくもう1球続けてサインを出した。

俺は迷いなく頷き投げる。今度は当てられたがボテボテの内野ゴロだ。しかし打球の飛んだコースがよく内野安打になってしまった。

また出塁されてしまったが、思ったところには投げ切れた。そこは収穫。


今の2球は良かった。昴の状態も回を追うごとに良くなってきている。

俺がしっかり昴を活かせばこの試合は十分勝てる。

2番の吉田に対しては前の打席全部ストレートで攻めたからこの打席はカーブでタイミングを外すか。

狙い通り吉田は初球のカーブを打ち上げ力のないファーストファールフライとなった。

全体的に早打ちになってきたな。おそらく初回の昴の投球を見て制球に苦労してストライクを取りくるから、そこを打ちにいこうって算段なんだろうな。


ベンチに戻ると零さんが近づいてきてこう言う。

「良かったじゃん」

シンプルな言葉ながら嬉しかった。

ウチの攻撃もこの回から2順目だ。

颯馬は4球目のストレートを引っ張って出塁した。

ここも送りバントなのかなとか思っていると、いきなり颯馬は走って盗塁を決めた。

璉さんにもバントの構えはなく、初回とは別の攻め方をするという監督の意志が感じられる。

結局3球目のスライダーに詰まってファーストゴロだったが、進塁打となった。

この場面で迎えた板谷さんがここで初球スクイズをした。

これには相手バッテリーも俺も驚いた‼

颯馬のスタートも完璧で完全に意表を突く形となったが、安田さんは落ち着いてファーストに投げ宗さんをアウトにした。

球場にどよめきが起こっていた。


確かに宗さんは長打を量産するタイプの3番打者ではないけども、まさかスクイズとは……。監督の抜かりない戦術を見事に成功させるのはさすがだ。

宗さんに対しては日頃から細かいプレーを仕込んでいるなぁとは思っていたが、この場面でするとはね。

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