逼迫
初めての侵入者を撃退してから2日。
彼らが去ってから考えたが殺すか逃がすかの二択ではなく、生け捕りにしてこの辺りの地形や情勢などを聞いておけばよかったと気づく。
次の侵入者は貴重な情報源として丁重に扱うかと楽観していると、2日前と同様のアラーム音が鳴り響いた。
「ここで間違いないな。」
弓を持って男はもう一人の男に同意を求める。
「そうだろうな。前はこんなところに洞窟はなんてなかったしな。」
そう返す男の背には長剣が刺さった鞘が見て取れた。
「さて、早速探索と行くか。」
長剣を持った男は奥へと歩を進めようとするが弓の男に制される。
「まて。二人だけだと危険だろ?そもそも今日は場所だけ確認するだけの手筈だ。」
「他の奴らが来る前に少し見てみるだけだよ。ヤバそうなら帰ればいいだろ?」
こうなった相棒を抑える術を持たないのか弓を持った男も渋々、後を追った。
武装した二人組か。イビルアイを通して話を聞いていたが、長剣の男は短慮だ。それともそれなりの腕を持つのか。
弓を携えた男は慎重そうだったがついてきたということはやはり腕は立つのか?
とりあえずゴブリンをスリーマンセルにし、一組送ってみる。
勝負は一瞬で決した。
ゴブリンと二人組が遭遇し、ゴブリンどもが走り出すと次の瞬間には先頭のゴブリンには矢が突き立っていた。予想外の光景に後ろの二体が硬直したところを長剣の男が前にいる方を蹴り上げるとゴムボールのように吹き飛び天井にぶつかりそのまま床に叩きつけられた。最後の一匹は横薙ぎに切り払われ一刀両断。蹴り飛ばされた一匹は起き上がるところをもう一度蹴飛ばされ動かなくなった。
ほう、二人だけで入ってくるだけあって流石だな?などと言ってる場合ではない。
さてどうしたものか。もう二組送ってみたか、死に方が違うだけで結果は同じ。
迷路は功を奏していたようで進むのに手間取っている。が、時間の問題だろう。
新しいゴブリンを生成し元の数に戻す、DPは1870。ダンジョン中腹の中部屋で迎えうつか。しかしDPを全て使って100匹ほどのゴブリン。流石に退けられるだろうが仲間を引き連れて再度挑戦するかもしれない、別の侵入者に耐えられない可能性もある。何よりこの二人は確実に戦闘不能にしなくては。つまりは即時撤退させてはまずいわけである。
少し考えイビルアイを2匹生成すると中部屋前の通路に配置した。