初めての侵入者
ダンジョンを開放して3日、侵入者はまだ来ない。変わったことといえばマッドプラントの数くらいである。この植物が本来どの程度の成長速度なのかはわからないがかなり早い速度で繁殖してると言えるだろう。
ダンジョンの方針としては迷路で無駄にあるかせマッドプラントのスキルである毒素のある花粉を長い間吸って弱ったところを叩く。 という狡いものである。そのため、この予想外のスピードでの繁殖は嬉しい誤算であった。
さらに3日たった時ダンジョンコアから元の世界で言うところのアラーム音のようなものが聞こえてくる。
予想通り侵入者だ。招かれざる客の数は2名。その中年の男性2名の装いはどう見てもこれからダンジョンに挑もうとする者の格好ではなかった。
2人は中を進むでも引き返すでもなく、立ち止まっている。ここはイビルアイの性能を試すべく手元のイビルアイで入り口付近のそれにもう少し近づくよう命令を送る。
「こんなところに洞窟はなかったよな?」
「村に戻って皆に報告しておくか。」
そのような話をしているのが聞こえてくる。
どうする?ここでゴブリンを嗾け殲滅するか出て行くのを待つか。だが「村に戻って」と言っていた。つまり話を持ち帰れてもすぐに大規模な捜索が行われたりしないはず。
なら、ここは放置しておくか?いや、しかし、などと悩んでるとダンジョンコアから「侵入者を撃退しました」という音声が聞こえてきた。 イビルアイをみると2人の中年はいなくなっていた。
・・・気を取り直そう。ただ出て行っただけで撃退分のDPが貰えるんだ。良しとしようと自分に言い聞かせながらウィンドウを開きDPを確認すると、残存DPが2050に増えていた。 思わぬ収穫に目を疑う。あの2人で1000越え?50という端数から一律でDPが定められていないことがわかる。
しばらくウィンドウを眺めて行くと新着メッセージとやらがあることに気づく内容を見てみる。
「初めての侵入者撃退ボーナスで1000DPを加算します」
これにより2人の撃退分が50DPにしかならないかとがわかった。