涙の光
君の泣き顔を僕は知らない
言の葉をかたちづくる君を知ってる
紙に落ちる涙の音も
インクが滲む涙の色も
見えないけれど
なぜだか君の声は聞こえるんだ
僕の泣き顔を君は知らない
言の葉は枯れていないだろうか
紙を突き刺した涙の剣も
インクを消した涙のペンも
見えないだろう
それでも僕の声を聞いてほしいんだ
君の涙と僕の涙は成分も悲しみも感動の度合いもきっと違くて
遠くて重ならなくて
それでも君の零した涙の光を言の葉が拾って
届くんだ 僕の中に 届くんだよ
だから僕は泣いてしまうんだ
君の笑顔を僕は知らない
僕の笑顔を君は知らない
言の葉をかたちづくる君を知ってる
君のうたってくれるうたが僕は大好きで
どんなに離れていても
なぜだか君の声が聞こえてしまう
だから僕は笑えるよ 笑えるんだよ




