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夏の煩悩  作者: ボノン
7/32

7 再入院、そして

7月28日に記憶喪失で倒れてからの記憶、そして再入院したばかりの時の事も殆ど覚えていない


今思えば何を見聞きしていても体に入ってこない

周りが全て陽炎のように見えていた

何処か揺らめいた感覚は僕の感情も何処かへ忘れて来てしまったような

振り返るとそんな感じだけが僕の記憶として残っている


主治医はナジマ先生という女性である

当時の少ない記憶にナジマ先生の印象がある


彼女は無表情であり、何時もムスっとしているような、所謂ツンデレだ

しかしデレデレしていないのでツンだなツン


しかしだ。諸君。何といっても病院と言えば”ナース天国”ではないだろうか


実を言うと、僕は一度入院をしてみたいと心秘かに思っていた

これでも健康で一般的成人男性である

あんな事やこんな事を想像しても何らおかしくないと僕は思っている


しかし、現実にはそんな事は全くなかった


ヒャッハー!な看護婦がゴロゴロした世紀末・・・ではなく、当時の僕には’意欲’と言うものがなかったように思える


僕は誰ひとり名前を覚える事が出来なかったし、しようとも思わなかった


病状は記憶障害と梅毒である


僕の“意欲がない“と言う状態がそれらに関係しているのだろうか


また当時、僕は自分の事を”元気”だと思っていた


点滴に繋がれ、立ち上がる事もやっとなのに、そんな自分に違和感を感じない


今思えば、そんな自分はとても不自然な状態であったと思う


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