22 虫のしらせ3
気がついた時、部屋は酷く散らかっていた
部屋のトイレはドアが開いたままで、電気もついたまま
描き終えた“猫の絵と詩”はベッドの上に乱雑に置かれている
僕は重い体を起して、それらを片づけて少し目を閉じた
暫くして、「●●さん※僕の名字」と3回、看護婦さんが僕を呼ぶ声が聞こえた
僕はその声を寝たふりをして答えなかった。とても応える気になれなかった
看護婦さんゴメン
少しして今度は看護助士のハヤシさんが夕食を持って371に来てくれた
流石に僕は体を起した。さっき僕を呼んだ看護婦さんの事が気になった事もあった。ハヤシさんは確認に行ってくれたが、そんな看護婦さんはいなかった
何かが起こる気がしていた
あの時が止まるような感覚がまた僕に起こる
猫は妻が可愛がっていた猫だった
猫は妻を心配していた
詩はそんな猫の詩であった
“人になりたかった猫は殆ど人と同じようになる事が出来た”
“しかし耳だけは猫のままであった”
“そして猫には泣き黒子ができた、それに猫は満足して昇天した”
妻にメールでその事を伝えた
猫がお前を心配している。猫はお前に感謝をしている。自分が死ぬまでにお前を心配する事が出来るようになった。だから昇天した。と
妻はその日泣いたそうだ




