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夏の煩悩  作者: ボノン
22/32

22 虫のしらせ3

気がついた時、部屋は酷く散らかっていた


部屋のトイレはドアが開いたままで、電気もついたまま

描き終えた“猫の絵と詩”はベッドの上に乱雑に置かれている


僕は重い体を起して、それらを片づけて少し目を閉じた


暫くして、「●●さん※僕の名字」と3回、看護婦さんが僕を呼ぶ声が聞こえた


僕はその声を寝たふりをして答えなかった。とても応える気になれなかった

看護婦さんゴメン


少しして今度は看護助士のハヤシさんが夕食を持って371に来てくれた


流石に僕は体を起した。さっき僕を呼んだ看護婦さんの事が気になった事もあった。ハヤシさんは確認に行ってくれたが、そんな看護婦さんはいなかった


何かが起こる気がしていた


あの時が止まるような感覚がまた僕に起こる


猫は妻が可愛がっていた猫だった

猫は妻を心配していた


詩はそんな猫の詩であった


“人になりたかった猫は殆ど人と同じようになる事が出来た”

“しかし耳だけは猫のままであった”

“そして猫には泣き黒子ができた、それに猫は満足して昇天した”


妻にメールでその事を伝えた


猫がお前を心配している。猫はお前に感謝をしている。自分が死ぬまでにお前を心配する事が出来るようになった。だから昇天した。と


妻はその日泣いたそうだ


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