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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ヤンキーくんは恋に鈍感

作者: 枝豆

「今日から旧校舎に

凛星(りんしょう)の生徒が通うんだと…。」


「まじかよ…。

あそこ超ヤンキー高校だろ?」


「校舎が半壊したとかなんとかで

新校舎できるまでうちの高校の

旧校舎にいるんだとさ…。」


「迷惑だよなぁ…ほんと…。」


聞こえてるっての。

ていうか、俺等も迷惑なんだよ。

旧校舎の教室の前をわざわざ通って

んなことほざくなよ。負け犬が。


「夏希!!

優等生くんたちにガン飛ばすなよ。」


「飛ばしてねぇし。

あいつらがうぜぇのが悪いんだよ…。」


ヤンキー高校 凛星 の校舎を

半壊させたのは 2年 仙道 夏希。

この俺という噂がたっている。


「夏希。

お前…ホントに校舎を?」


「してねぇよ!!!!!

バカじゃねぇんだから

通ってる高校に恨みなんかねぇよ!」


短気で手が早くて

凛星校で一番強いそして

悪魔のような男。

いつのまにか俺はそう呼ばれていた。

確かに俺が一番強い。

だけど意味のないケンカはしない。

ましてや校舎を壊したとこで

何が楽しいんだ?


「雅紀…。

まさかお前が噂流したとか…

ねぇよな?」


「俺がお前の?

ハハッ!!流してなんか得するか?

俺は!!最強夏希サマの親友だぞ?」


「そりゃ…そうだよな…。」


俺の唯一の昔からのダチ

四宮 雅紀は俺と違って賢い。

だけども俺のことを心配して

こんなダメ校に進学した。


「雅紀…ありがとな。

んで、悪いな…。」


「おっ?

久しぶりのデレなっちゃんキタか!!?」


「うるせぇ!!!

デレてねぇし!なっちゃん呼ぶな!」




「キャー!!!!!!!!!!!!!!!!」

「宇都宮さぁあぁああん!!!!!!!!」

「センパァアァアイ!!!!!!!!!!!!!!!!」


突然新校舎の方から

叫び声というよりも歓声的な

うるさい女子の声が聞こえる。


「んーだよ?」


「モテ男がいんだな。

羨ましいよーな災難なよーな…。」


「お前だって中学んとき

モテてたじゃねーか。雅紀。」


「俺のはちげぇーよ。

周りがヤンキーだから

消去法で女子にコクられてたの。」


「ふぅーん…?」


「まっ!

お前みたいな恋愛に疎遠のバカには

わかんねぇーだろうけどなw」


「この俺にケンカ売ってんのか?

あぁ??雅紀…上等だぞ?」


「そーいうとこがバカなんだよw

悪かったってっ!!」


ガラッ


「ん?」


旧校舎の俺たちの教室に

誰かが入ってきた。センコーか?


「1、2、3…」


よくみるとそいつは

霧乃森(きりのもり)の制服(新校舎の生徒)を

来ている男子だった。


「なんだこいつ…。」


そいつは入ったきたと思うと

俺たち凛星の生徒の人数を数え始めた。


「・・・。なぜ資料通りの

人数がいないんですか?」


「しんねぇーよぉお。

退学とか謹慎処分とかいるしぃい。」


ようやく話したと思ったら

優等生らしい言葉と笑顔。

その言葉に他のやつがダルく返事をした。


「では。ここにいる凛星高校の

生徒の方々のみにお伝えします。」


「あぁ?」


「わたしは霧乃森高等学校

生徒会長、宇都宮尚人。

今日からあなた方の指導者となります。」


「!!!?」


生徒が俺たちの指導者?

センコーさしおいて…こんな奴が?

バカじゃねぇの?


「センコー気取りの生徒会長様が

俺たちの指導だとぉお?

ハハッ!!おもしれぇー!やってみろよ!」


うちのバカヤンキーが

早速ナメタ口をきいた生徒会長に

殴りかかった。


「!!!」


ゴッ!!!


「うッッ…。」


腹に一発くらったのは…。


「言っときますけどあなた方と違い

わたしは空手を習っているので

これは正当防衛ですので。」


「まじか!!あいつ

優等生のくせにッッ!!?」


この生徒会長、指導者だけあって

あっけなくうちのバカヤンキーを

やりやがった。


「では、これから

指導者のわたしのルールを聞くように。

1・ケンカは最低限行わない。

2・霧乃森校の生徒に危害を加えない。

3・授業はうけなくてもよいが

学校には必ず登校する。

以上3つを守って下さい。」


「・・・。」


俺たち全員はポカンとした。

それだけのルールなんざ

ヤンキーでも守れる。

それよりも授業をうけなくても

いいということに驚いた。


「生徒会長さん。

てめぇ、俺らを更生とかさせねぇの?

ご○せん。的なかんじでw」


俺はつい冗談をいった。


「!!!!!!!!」


その時俺をみた生徒会長は

顔色を変えた。

その目はヤンキーに近かった。


「・・・あなた。名前は?」


「あ?」


「てめぇええ!!

仙道さんに向かってッ…んだよ!

その態度は!!!」


「番犬は黙れ。」


「!?」


生徒会長の雰囲気は一気に変わった。


「名前は?」


もう一度生徒会長は

俺に質問をする。

そしてドンドン近づいてくる。


「せ…仙道夏希だ。」


「・・・。

夏希・・・?」


生徒会長は更に近づき

ついに正面にきた。


「なんだよ…?」


ぐいっ!!


「!!」


「夏希ッッ!!」


生徒会長は突然俺を引っ張り

胸ぐらをつかんで壁に押しやった。


「へぇ…。生徒会長様が

こんなこともすんのか…。」


「夏希。会いたかった。」


「あ?」


チュッ…


「!!!!?」


生徒会長は俺に顔を近づけ…そして。


「何すんだ!?てめぇえええ!!?」


バシッ!


「おっと。

いや…すみません。」


いきなりキスを仕掛けたコイツは

また最初のように笑顔で敬語になった。


「では本日1日目の学校生活を

楽しんでくださいね。」


そういうと生徒会長はでていった。


「・・・・・・・・・・・・。」


「仙道さん!!!!!

あいつに何されたんですか!?」

「大丈夫っすか!!?」


「おぅ…。まぁな。」


ギリギリこいつらには

見えていなかったようだ。


「夏希…?

お前。ちょっとこい!!!!!!!!」


「ッッ!!!!雅紀ッ…。」


どうやら雅紀の角度からは

何が起こったのか見えていたようだ。

そして俺は雅紀に引っ張られ

屋上へと向かった。


「さっきの優等生…なんだったんだ?

つか、お前みてから態度変化したよな?」


「俺はあんな変態しんねぇよ。」


「でもさっきキスされる前に

会いたかった。って言ってたよな。」


「なッ!!!!!!!!てめぇえ!

忘れさせろや!ボケ!!!」


「あぁ。悪い。

ファーストチューだったんだな♪」


「やかましい!!!!」


「なんなら俺が

書き換えてやろぉかー??んん??」


「てめぇ!

気色わりぃこというなッ…」


「離れろ。」


「「!!!」」


俺と雅紀の間に

違う奴の声が入ってきた。

そしてその声の主は俺を引き寄せた。

見上げると…


「てめぇ!!生徒会長!!!」


「名前も覚えていないのか?

全く…記憶力が低いな。夏希は。」


「だから!!

その上から物言うのやめろ!

あと、馴れ馴れしく呼ぶな!!!」


「夏希。

俺は宇都宮尚人。」


「うつのみや…なお…と?」


「!!!!!夏希!!

こいつ…中学んとき他校のッ…」


「!!!あぁ!!

てめぇ、司馬中のリーダーの!!」


「やっと気づいたのかよ。バカ。

あとオレは3年だぞ?敬語は?

生徒会長の尚人先輩。だろ?」


「んーだと!コノヤロウ!!」


「うわぁ…ドSなのは変わってないな。」


「オレは好きな奴ほどいじめたくなる。

夏希。つまりお前が好きだ。」


「!!?すッッッ…!?

んーで、そんなこと!!」


「中学んときに惚れたんだよ。」


「なっなんでだよ!!?

てめぇとはケンカしただろうが!!」


「あのときケンカでオレに負けたろ?」


「ッ…。」


確かに俺はあの時

初めて負けた。

その時に悔しさのあまり・・・


「泣いただろ。」


「なっっ!泣いてねぇよ!!

バカだろ!捏造すんな!!!」


「いや。泣いてたぞ。お前。」


「雅紀は俺の味方だろーが!!

フォローしろや!!」


「そん時の夏希の泣いてるとこみて。

あぁ…。・・・もっと泣かせたい。

と、思ったんだよ。

それでケンカでは泣かしたから

他に泣かす方法考えた結果

ヤンキーやめて、

生徒会長になることにした。」


「「はぁ??」」


さすがの俺も意味がわからん。

泣かす=生徒会長・・・。


「上の立場でお前に

命令できるからだ。」


「え?てか、学校違うから

意味ねぇじゃん。」


「だからうちに呼んだ。」


「へ・・・・・・?」


「じゃぁ…学校壊したのって!?

生徒会長!あんたなのか!?」


「いや。壊していない。

あれは台風で壊れたんだぞ?

誰だ?そんな馬鹿げた噂を流したのは。」


「ッ…なんだよ…。」


「そしてこの学校へ仙道夏希を

連れて来てほしいと理事長に頼んだ。

理事長はオレの祖父だ。

その後すぐ…夏希、お前がきた。

好きだ。だから泣け。オレの前で。」


「っっざけんな!!

変態ヤロー!!!!!!!!!!!!!!!!」


優等生学校の生徒会兼指導者の

宇都宮尚人は俺をいじめたいくらい

好きな変態ドS野郎だった。

そんな奴と俺の

旧校舎学校生活が始まる。







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