※兎の気持ち
兎が虐待されてるような?描写があります?
魔王が虐待されてる?ような描写もあります?
噛む兎と、噛まない兎。
分岐点はどこだろう。
カイγーンとジョーンの子供みたいな位置にいるレティシア(雌兎)は、人間並みの思考力があり、猫のパパと人のパパがいるというのを認識していた。
パパとはつまり親である。
強くなり、領地で2位の強さを誇るが、知能低下した猫のパパに絡んだときに、徹底的に『あ? やんのか、こらぁっっ』的にめっちゃめっちゃに痛い噛みつきをされ、『ごめんなさいごめんなさい、猫パパごめんなさーいっ』とやったので、序列をしっかり学んだ。
そして兎は毛繕いをされる方がする方より優位であるという性質があり、猫パパは怠惰なのもあるが、悪魔としての性質もあるので毛繕いなどしてはくれず、『猫パパ毛繕いさせてください』と、ころんと寝ているカイγーンにレティシアが毛繕いをしていた。
躾とは、大事である。
ジョーンはレティシアによくブラッシングをしてくれるので、もちろん幼き日のレティシアは思い上がったが、『あ?』と捕食者な目で猫パパが見ていたので、レティシアは防衛本能が働いて、『人パパ、私も毛繕いしますね』と、ジョーンの手をぺろぺろなめて、危ないところを脱した。
そして、噛みつかない可愛い?やたら強い兎が爆誕した。
さて、ザητΦァーの飼?兎(雄)。
『撫でるんだよっ(毛繕いしろ)』
『下手っ。噛むっ』
ザητΦァーがそもそも適切に躾なかったのもある。ついで名前さえつけていない。
名前がなくても彼女の固有領地に、兎と自分しかいないのである。何の問題もない。
兎が食べられる草を植えたり野菜畑は造ったが、殺されなければ死なない兎なので、飢えや乾きでは死なない。たまに、野菜畑が壊滅したりして、兎が不機嫌にびたんっと足を鳴らすので、魔法で水やりシステムやら、果樹園が実ると回収して絞って酒樽に入れたりするシステムを作った。飢え死にはしないが、食べられないと苛つくのだ。
そして兎は思考が人間並みに至った時に、ザητΦァーに対して、こう思った。
『ラクダな我が子』
『だらしない』
『ああ、こんなので生きていけるのか、心配だ』
そう、この兎は魔王を自分の娘だと思っていた。
魔王より自分はえっらいのである。
森羅万象の頂点っ(伯爵クラスも倒せるので、あながち間違っていない。こいつを殺せるのは、悪魔でも100人いない)。
本日もザητΦァーが消えて、しばらくしたら戻ってきたから、めっちゃくちゃ足や尾に噛みつきながら、樽置き場に誘導し、
「あ、樽がもうないのか。でも疲れたから、また明後日ぐら・・・いたっ痛い。わかった。今、魔法を稼働させる」
と、仕事をさせる。
「酒でいっぱいだな。おまえ飲まないじゃないか。私も暴食でもないから、日に二杯も飲めば満足だしな。あー、誰かにやろう」
酒をつくる過程で出る、絞りかすとか皮を兎はむしゃむしゃ食べる。
魔王は酒の満ちた樽をいくつか魔法空間に収納して、ついさっき造った空樽を置く。
もういいかなと寝床に向かう。
兎はついてくる。
「なあ、今日知り合った悪魔が噛まない兎飼ってるらしいんだが」
『撫でろ』
兎が頭を手の下に入れたので、ザητΦァーは諦めて撫でた。
「少し寝る。おっと、麦わらがふかふかだな」
大きな厩舎のようなところに、麦わらが敷いてある。
フスフスと、鼻を鳴らす兎。
「新しいの入れてくれたのか」
と、ラクダの巨体になって、ごろっと寝ころんだ。母槐に魔力注ぐと、人型の眠りでは足りない。兎が仕方ないな、と寄り添った。 躾がなっていないのもあるが、この有様で、よくザητΦァーは「兎の世話がある」とか言えたもんである。




