※人生の精算
ダリア
娼館に14で売られて、20年そこで働かされ、もう年増で客もあまり付かなくなっていたところ、館の持ち主の男が治らない膝の痛みと腰痛をなおしてくれたカイγーンに、館と娼婦を治療費として売り渡したため、身柄の所有権が悪魔になってしまう。
ディーラとエーラという新人が入り、不慣れそうな連中(悪魔)が娼館を切り盛りしようとしていから、ついつい「そうじゃないよ」「今のお客には○○ちゃん呼ぶんだよ」とか助言をしていたら、姐さんと呼ばれ、あっというまに娼婦からやり手婆にジョブチェンジ。
面倒見がよかったばかりに。
前の主人より、金払いがよいのと、黒猫が膝の上に乗ってにゃあんと甘えてくるので、なんかもういいかと。
あまり若すぎてもやり手婆はやりずらいので、三〇歳ぐらいに、3度の若返り。
見た目が40歳ぐらいの時に、50代の男と結婚して屋敷を出る。
夫が74で死亡し、夫の子らが財産がらみでうるさいので屋敷に戻る。
肉体年齢70過ぎまで屋敷であれやこれや子供らや使用人の世話を焼きながら、屋敷で悪魔に看取られ死んでいく。
一四歳で孕んで無理な堕胎をさせられて、彼女はもう子供は出来なかった。カイγーンに望めば、できたけれど彼女は望まなかった。
悪魔と屋敷にくる子らが、弟妹で子で孫みたいなものだった。
村長
女体化させられ幼女になったあと、娼館で何度も客から殺され、そのたびに生き返らせられ、最初の五年で精神が壊れてしまう。
五〇年目にお役目ご免になったあとは、身請けされ、そこで壮絶に嬲られて二ヶ月で死ぬが、もう彼の魂も肉体への感覚もなかった。
許婚と村長娘
娼館で二人揃ってのプレイをさせられ、共犯枠で25年で解放される。
子供だったのでジョーンからの温情があり、二人で渡された金で家を買って暮らすが。
平穏な日常に心身を蝕まれ、許婚が先に死亡し、もう一人は自殺する。
司祭
年に四回、惨たらしく殺されては生き返るのを繰り返し、半年で廃人に。
50年後、ろくでもない金持ちに身請けされてファラリスの雄牛という処刑具に入れられ、人生終了。
異端審問官・見習い
まだ人を殺してなかったので『共犯枠』に減刑。普通に女体化して普通の娼館で身売りさせていたが、心身の限界に達した彼は信仰の心が天元突破し、天使を呼び出す。(荒行させられたようなもんだったのかもねー)
聖女な娼婦が居ると悪目立ちしたので、10年も経たずに村の司祭として戻されて、以降ミサのたびに天使の羽が空から降るわ歌が響くわ、天使が顕現しちゃうわ、といろいろやらかし、どこかで知られて教皇に推挙される。
「私の後の教皇が大変になるからやりませんよ」
と、断ったが、村にいると教会の関係者や信徒がおしかけるので、悪魔と悪魔崇拝者によって追い出さ・・・・・・快く送り出される。
天使曰く「ジョーンのせいで、悪魔が100近く人間界に出入りするから、こちらも顕現せざるおえないのに、どこもかしこも欲に穢れていて、彼のところにしか出られなかったんです」
まだ生きてる。
98まで生きてばんばん天使を降臨させて、ちょっと迷惑だが、話が通じない。だってもう狂ってるから。
二年に一回、村に御説法しにきて、天使ばんばんおろす。嫌がらせでは?
わりあい(本当に当社比的に)、ジョーンとカイγーンとは会話が成り立つ。まあ、途中で信仰について熱く語り出すので、破綻するが。
ディーラ
悪魔を怒らせたわりには老後は平穏なものだった。
自分の子とエーラの遺した子を育て上げ、見えなくなった目で、男性だった頃の、若い頃のろくでもなき行いを振り返りながら、
「俺たち二人でいれば、怖いもんなんかないと、いっぱいひどいことしたねぇ」
悔恨というより甘い泣き言を口にして、ベッドで普通に亡くなった。
お前、もっと反省しろよっ。図太いな。
賛同者達154名(主犯から減刑の3名は別個扱い)
男女関係なく、20年間、普通の娼館にお勤めのあと、身請けしてくれる人がいれば身請けされた(普通に妾とか後妻になった。男も女体化したまま)が、40名に満たない。
残りの者は最後の年の一年の稼ぎから、食費や光熱費や化粧品代等々を抜いた金額を渡されて放り出される。
ほとんどが金をすぐに使い果たし、別の娼館や、個人での娼婦に舞い戻り、5年以内にほぼ死亡。(病気だったり、客に殺されたり、仲間に殺されたり、裏社会の連中に縄張り違反として殺されたり、アルコールに溺れて事故ったり)
生き残りは6名。売れっ子でそれなりに稼いで自分の店をもったり、店を任されたり。
寿命を全うできた賛同者は38名である。
エレン
父親から売春を強制され、死に至る性病に罹患するとそれを隠して娼館に売られ、そこでカイγーンから寿命と引き替えに若返りと病気の快癒を施され、ジョーン夫妻の曾孫として育てられる。当時の記憶はない。
魔女狩り等怖い目にあったが、普通に結婚し、六人目の子を産むときに、死にかける。
カイγーンが駆けつけて生き返るが、意識が朦朧としていたときに、夫とカイγーン(曾祖母)が
「なんでこんなにばかすか産ませるんにゃっっ。エレンが死ぬとこだよっ」
「すいませんっ。いつも途中で抜くつもりなのに、出ちゃって」
「この弱ちんがっ(気っぷの良い港の奥様方に育成されたので、ジョーンがいないと悪い言葉が出るカイγーン)」
というろくでもない会話を横で繰り広げていたのを、なんか覚えてしまっていた。
子と共に無事に生き返り、
「おばあちゃんの声がして、えっとー『よわ・・・』っ」
夫はエレンの口を押さえ、
「それは口にしてはいけないよ。エレンがあの世に来ないように、おばあさまは知る限りの悪い言葉を放って、君を現世に返してくれたんだ。だから、それは口にしちゃ駄目だよ」
割と機転が利く夫であった。
「そうなんだ。おばあちゃん、ありがとう」
そんなこんなで、産みすぎて骨がもろくなって、30代半ばに転んでからは杖がないと歩けなくなり(もう産まないようにカイγーンが卵巣と子宮の機能停止させたから太っちゃったしねー、膝への負担が大きかったよ)、54歳で亡くなるが、子供達も夫も常に支えてくれた。
屋敷にきてからは平凡で幸福な一生だった。
★ ☆
ディーラとエーラはイメージ的に「青春アミーゴ」(歌)だから、片方のたれ死ぬ。




