いよいよ始まる変化《へんげ》の練習。
『ねえ。葉っぱって、どんなのでもいいの?』
僕は寺の庭にある木々から、めぼしい葉っぱを摘み取りながら、タマに聞いた。
「ん? うん。どれでもいいニャん。葉っぱを頭に乗せることで、意識を集中させるのニャん」
僕は取った葉っぱを、頭に乗せてみる。
『……』
小さ過ぎたのか、存在感が全く感じられない。
これは、選択ミスだ。
「頭に葉っぱを乗せたら、その葉っぱに意識を集中して、何に変化するか決める。
決めたら、そのイメージに飛び込むように、くるりと跳ねるのニャん……!」
言いながらタマは、くるりと一廻転する。
ポン! と軽い音を立てて、タマは再び三毛猫に戻った。細長い先割れのしっぽをくねらせて、タマは前足で顔を洗う。
『よぉーし! 僕も頑張るぞ!』
僕は呟くと、一廻転する為に高く飛び跳ねた……!
タマが耳を震わせ、僕を見る。
勢いよく飛んだ僕は……!
……けれどズシャと、情けない音を立てて、頭から地面に落ちた。
『……』
………失敗だよ。見事に。
『いっ……痛ぁ……!』
くぅんと鼻を鳴らしながら、前足で顔を押さえた。
鼻から見事にコケてしまった。
めちゃくちゃ痛い。
折れてはいやしないかと、必死に前足で鼻をさすった。良かった。鼻、ついてた。
ヒリヒリする鼻の痛みに耐えて、僕は立ち上がる。するとタマの呆れた声が降ってきた。
『……いやいやいや。お前、本当にキツネなの?
何んで前転できニャいのさ……!?』
タマが叫ぶ。
僕は当然、何も言えない。
『うぐ……』
言われて、僕は耳を垂らした。
だってしょうがないだろ? 初めてやるんだから……。
痛む鼻を前足で押さえながら、パタパタとしっぽを振って、誤魔化してみる。
またタマがじゃれついて来るかなって思って。
でも、タマがそんな事するわけもなくて、全然役には立たなかったけれど……。
× × × つづく× × ×
┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈
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