始まりの始まり。
銀の雪が降り積もる。
雪はこの世界の全ての音を奪って
静かに輝きながら降り積もる。
辺りはとても静かで、穏やかで
降り積もる雪の音が聞こえてきそうな
そんな夜。
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いつの間にか雪はやみ
雲の合間からは星々が顔を出す。
夜空には、綺麗な天の川が掛かっていて
時折小さな ながれ星が見えた。
凍えるような寒い夜。
銀色の月がそっと泪を流す。
『今度こそ、幸せであるように……』
切実なその願いは
けれど力強く、確固たる意志を持ち
ひとしずくの泪を《種》として
凍てつく氷の上に落ちた。
──ぴちゃん……
氷はまるで
柔らかな水のように
細やかな波紋を作る。
波紋は柔らかなゆりかごとなって
その《種》を護る。
まるでそれが
運命だとでも言うかのように……。
白く冷たい雪が、ふわりと舞う。
風のない、静かな雪の夜。
……それなのに何故、雪は舞ったのだろう?
淡く儚い風花。
銀に輝く月の願いを受けて
冷たい氷と雪の光に護られた
小さな小さな その幼い《種》は
静かにそっと息づいた……。
そこで《種》は
また
静かに眠る──。
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どれくらい時が経ったのだろう?
足跡一つない、まっさらの雪の中で
何かが生まれた。
その『なにか』は、とても小さくて儚げで
今にも壊れてしまいそうだった。
けれど、夜空の雲が流れゆくと共に
少しずつ大きく成長していく。
そしてその成長の速さは著しくて
──もう誰にも止められない。
ある日、満天の星空に
丸くて大きな冷たい月が、顔を出す──。
× × × つづく× × ×
┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈
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