2話 レイル
第二話 レイル
「この手を取れ、全てをやり直したかったらな。」
あのこの世界に来る前に見えた眩い光に似た何かを差し伸べてくる。やり直すという言葉にはどんな意味があるのか。そんな事はどうでもいい。やれる事はやってみるものだ。
「ッ…!!!」
やはり同じだ。死んだ時に感じたあの気持ちよさ。
「お前は選ばれたんだ。もう一度人生をやり直させてやる代わりに、俺の願いを聞いてくれ。」
こいつが何言ってるのか、俺に何をしろと言うのか。
「これから起こることは全てお前が起こしていることだ。お前が俺の願いを叶えられるように、ある力を託した。「手」を開いてみろ。」
まるでファンタジーの世界にいるようだ。こんなこと言われたことがない。言われる通りに手を開く。
「目を閉じて、そうだな…好きな色を想像してみろ。ゆっくり頭の中をその色で満たすんだ。」
言われた通りにする。俺は小さい頃から青が好きだった。頭の中で青いっぱいで満たす。思い出が過る中。
「目を開けてみろ」
目を開けた先に見える物は、青色の光の球体。
物理的ではない、何か特殊な綺麗なモヤだ。見ていると力を感じるような、抜かれているような。その一つの青光りは見たことのない世界を知っているような。
「今お前が作り出したのは、マナと言われるものだ。普通の人間じゃ作ることは愚か見ることすらできない。この世界の限られた者にしか見えない特殊な力。この世界の根源でもある。」
「それをどうして俺が?あんたがくれたマジックか?」
「言っただろう。選ばれし者だと。私が与えた力ではない。お前自身はその限られた者なのだ。このマナを見る、作ることができる者達はレイルと呼ばれる。」
「俺が…?? だけど、こんな力持ってても何の意味があるんだよ。」
「ふっ。そうだな意味は無いな。一つ言えるのは、マナによって、この世界は成り立っていること。つまり、この世界の原動力を持っているということだ。何かを作る、天気を変える、人を殺める、この世界を壊すことだってできる。」
「なんだよそのチート能力。それだったらとっくにこの世界は無くなってるんじゃ?」
「誰だってマナを限界まで引き出すことができるわけじゃ無い。マナに愛されれば愛されるほど引き出すことができる。レイルだからといって普通のレイルは限界はお前が作った光数個程度だろう。」
「さて本題に入ろうか。」