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召喚された少女は異世界でうさぎを探す  作者: 白黒兎
第二章 異世界の国々
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56話 天才少女とデバイス作りの相談

 地球でどういった経緯でデバイスを作ることになり、どういった素材や技術を使ったのか、出来るだけわかりやすくクーリアさんに口頭で説明した。隣で聞いていた綾さんや千鶴さんも何を言っているのかさっぱりわからないといった状態だが、クーリアさんは顎に手を当てて考えこむように目線を下に向けている。兄様?ここからだと表情が見えないからわからん!



 私の説明が終わって一分ほど無言で熟考していたクーリアさんが目線を上げる。どうやら考えがまとまったようだ。



「まず最初に言っておきますが、輪音さんが持っているデバイスと同じものを作成するのは現段階では無理でしょう。DNAによる生体認識などといったものは今のこの世界の技術力では難しいと思います。ですが、元々魔術師などが良く使う魔術補助具を改良していけば、それに近いものが出来ると思います。後は、いろいろと試作して実践してみないとわかりませんね」



 試作と実践…私がよくやっていることだね。この感じだともう頭の中でいくつかの作り方が出来上がっているかもしれない。



「私ももちろん協力するよ!」


「当たり前でしょ。妹ちゃんが元になるデバイス持っているんだから。…ちなみに制作にどれくらいの時間がかかりそうですか?」


「私の考えているもので問題無く出来たとしても、デバイス一つにつき最低一週間は欲しいところですね。安全性の確認などもしないといけませんし、それぞれの専用品を作るとなると調整も必須ですから、全員分となると短くても一ヶ月は確実にかかるかと」


「最低でも一ヶ月ですか、かなりの期間ここで暮らすことになりそうですね」


「読み尽くせないほどの蔵書があるんだし。そんなに制作を待っている間もそんなに退屈はしないと思うよ?」


「妹ちゃんはデバイス作りで忙しくなるだろうし、本を読む暇あるの?」



 はうあ!?そういえば、私はデバイス作りに集中することになりそうだから本を読む時間なんてないんじゃ…!



「大丈夫ですよ。魔術具作りの教本は読んでもらわないといけませんからね。それに、行き詰った時には息抜きが必要です。視点を変えるという意味でもいろんな本を読んでおいた方が良いでしょう」



 ショックを受けて項垂れた私にクーリアさんが苦笑交じりにそう言った。良かった。これだけの量の本があったら、折角だしいろいろ読んでみたいよね。



「皆さんも魔法が使えるようになるのですから、魔術書などを呼んで予習をしておくと、練習がスムーズになると思いますよ。もちろん、私もきちんと使い方を教えますけど」



……ここまで至世り尽くせりだと逆に怖いね。なんか裏があるんじゃないかと思っちゃうよ。



「どうしてここまで手を掛けてくれるのですか?これも、あの熾天使さんに言われたから?」



 なんて私が考えていたら、恐らく私達の中で一番疑り深い性格の綾さんが直接質問していた。嘘を吐いていたら私以外の三人が見逃すはずがないから、こういうことは直球で聞く方が早く済むんだよね。私は見抜ける自信が無いけどね!



 綾さんの質問はここまで友好的にしてくれたクーリアさんに対してそこそこ失礼なものではあるけれど、クーリアさんは特に気にした様子もなく微笑んだまま綾さんの質問に答えた。



「その警戒心は貴方達の境遇を考えれば当然と言えるでしょうね。…セラさんからのお願いということもありますが、異世界人である貴方達の使う魔法が見てみたいという私の願望もあります。もしも危険極まりないものだった場合には制御のやり方を教えないと危険というのもあります」



 危険極まりないという言葉で一斉に私に視線を送ってから、なるほどという風に頷くのやめてくれないかな?そんなにみんなに危険が及ぶような危ない魔法なんて…ほどほどにしか使ってないからね。たぶん。



「それならば、一度輪音さんの魔法も見てもらった方が良いですね」


「そうだねー。妹ちゃんなりに安全には配慮しているとは思うけど、魔法のスペシャリストに多少は矯正してもらった方が良いかも?」


「デバイス作りにお世話になる以上、見返りもあった方がこちらも安心するからね。俺達のためでもあるし、こちらで考えた魔法に関しては一通り見てもらおうか」



 なんか納得いかないけど、これでクーリアさんがデバイス作りを手伝ってくれるのと、魔法を教えてくれるのならば仕方ないのかな?でも、あっちの世界の知識をなんでも喋るわけにはいかないだろうから、後でみんなと話し合ってどの程度までの情報を出すのか決めておかないとね。



 それにしても、異世界の知識や技術は確かに欲しいかもしれないけれど、私達が当たり障りのない情報しか出さないことなんてわかっていると思うけど、本当にそれだけでここまで協力してくれるものなのかな?熾天使さんや月の領域とも繋がっているみたいだし、案外それらから私達がどういう考えをもってどういう風に行動するのかを監視するためなのかもしれない。



「それでは、明日から早速輪音さんと一緒にデバイス作りをしましょうか。構いませんか?」


「ふぇ?あ、うん。大丈夫だよ」


「…本当に可愛いですね。頭撫でてても良いですか?」


「えっ!?」


「きゅい!」



 考え込んでいる時に声を掛けられて、びっくりして変な声が出てしまった。それは良いんだけど、クーリアさんが私を見る目がちょっと綾さんと似ている気がする…。本当に二人っきりで作業しても大丈夫なのかな?



 クーリアさんが伸ばした手は私の頭の上に乗っていた(いつの間に…。気がつかなかったよ!)ルナちゃんにぺしりとされ、それから一拍遅れて隣に座る綾さんが私を抱きしめた。



「妹ちゃんは私のだからダメですよ!」


「いや、綾さんのものでもないし」



 何を言っているのかなこの人は。そのがーんって顔もやめて。



「妹ちゃんからすごく冷たい視線を感じる!可愛いけど」


「千鶴さん、綾さんはもうダメかもしれない」


「そうですね」



 そうですねって、それで良いの?諦められてない?綾さん大丈夫?千鶴さんに見捨てられたらさすがにやばいと思うよ?



「あははは…。本当に皆さんは面白い方々ですね。さて、お話しはそろそろ終わりにしてお部屋まで案内しますよ。森を抜けてからここまで休んでいませんからね。この後はゆっくりと休んで下さい。輪音さんは明日の朝に迎えにいきますね」


「はーい」



 さて、これからが大変だぞ。何はともあれまずはみんなの分のデバイスを作らないといけないからね!




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