全ての始まり
ガチではなく趣味程度に小説を書きますが、よろしくお願いします。
無計画で、よく考えもせずに、ノリだけで話を書きます!!
痛い・・・痛い・・・。
体から俺の血が流れ出てくる・・・。
俺は・・・死ぬのか・・・?
ふっ・・・。
なんて・・・情けない最期だ・・・。
銀行強盗なんかに・・・負けちまうとは・・・。
情けねえ・・・。
役立たずじゃねえか・・・。
ハハハハハ・・・。
・・・。
・・・・・・。
≪力が欲しいか?≫
・・・声?
≪力が欲しいか?≫
・・・力・・・か・・・。
そうだな・・・。
力が・・・欲しいな・・・。
≪そうか、欲しいか。≫
≪なら、どういう力が欲しいか?≫
どんな力か・・・。
そうだな・・・。
誰にも負けない・・・。
決して・・・誰にも負けない・・・、悪党に負けない・・・力・・・。
そんな力が・・・欲しい・・・かな・・・?
・・・はは、なに言ってんだろ・・・。
≪願いは聞き入れられた。≫
・・・ん?
俺は死んだのか・・・?
起き上がって周りを確認してみた。
どうやら森の中らしい。
・・・ここはどこだ?
先程まで銀行に居たはずだが・・・。
・・・って、さっきまで刺されて血が出ていたはずだが・・・。
一体どうなってんだ・・・?
ここは天国か?
それとも地獄か?
・・・とりあえず、頬を叩いてみた。
・・・いてえな。
あの世でも痛覚ってあるのかな?
とりあえず歩くかな・・・?
ん?
なんか近付いてきている?
ドガァァァーン!!!
・・・。
一体なんだ・・・?
体が宙を舞っている・・・?
ドシンッ!!
木にぶつかったかと思うと、今度は地面に勢いよく落下した。
・・・体が変な方向に曲がってしまった。
すごく痛くて・・・すごく苦しい・・・。
指を動かすことさえ辛い・・・。
・・・一体なにが起きたんだ?
というか、なにが起こっているんだ・・・?
・・・う。
また意識が・・・。
・・・。
・・・ん?
あれ・・・。
気が付けば、先程と同じ森の中で突っ立ていた。
体が無性に寒い・・・。
・・・って俺、裸じゃねえか!!
なんでだ・・・?
体に怪我はなかった。
体の骨も問題はなかった。
・・・あれは夢だったのか?
だが、先程と同じ場所だな・・・。
・・・だが、明らかに先程とは違っていた。
まず、目の前に大きなクマがいた。
その光景にも驚いたが、もっと驚くべきモノがあった。
・・・何だ、この落ちているモノは・・・。
これ・・・「人間」か・・・?
・・・っていうかコレ・・・もしかして・・・"俺"か・・・!!?
明らかに俺の姿をしていた。
体が変な方向に曲がった俺の死体だった。
それを俺が見ている。
・・・なんなんだコレは!?
一体なにがどうなっているんだ!!?
俺がそんな感じに混乱していると、目の前のクマが近付いてきた。
・・・どうやらやる気のようだ。
訳が分からないが、とりあえず俺は目の前のことに集中した。
裸のままだが、そうも言ってはいられねえか・・・。
クマを相手に戦闘態勢になる。
自慢じゃないが、俺は強いんだぞ。
クマが腕を突き出して攻撃してきた。
俺はすぐに攻撃をかわし、反撃をした。
クマのボディにキツイ右ストレートを放った。
・・・だが、クマは全く微動もしなかった。
若干慢心していた俺は、次のクマの攻撃をかわせなかった。
胸にクマの鋭い爪が突き刺さり、体を貫通した。
俺は・・・血を吐き・・・そして・・・。
俺にもっと・・・、筋力があれば・・・。
んわぁ!!?
俺は、俺はどうしたんだ!!?
・・・あれ、体がなんともない!?
裸のままだが・・・。
俺は体の刺された部分を触った。
しかし、体はなんともなかった。
・・・ん?
いや待て。
俺ってこんなに胸板が厚かったっけ?
き、気のせいかな・・・?
そんなことより、もっと気にするべきことがあった。
目の前にまたクマがいる。
どうやら夢ではなかったようだ。
・・・そして、俺そっくりの死体がまた床に落ちていた。
しかも二つも・・・。
その内の一つ、服を着ている方はミイラのように干からびていた。
一体どうなってるんだ・・・。
これって、死んだらまた復活しているってことか・・・?
俺はどうなっちまったんだ・・・。
というか、「どうなった」ってレベルの問題じゃねえ・・・。
と、とりあえず目の前のクマをなんとかしねえと・・・。
俺は再び戦闘態勢に入った。
今度は先手必勝だ。
再び右ストレートをクマに放った。
だが、今度は頭に向かってだ。
ドゴォン!!
手ごたえはあった。
実際にクマの頭が向こうに回っていた。
そしてクマはバランスを崩し、後ろに倒れた。
・・・チャンスだ!
このまま攻める!!
俺はクマに馬乗りになり、何度も顔面を殴った。
明らかに攻撃が通っていた感覚がした。
いける!
これはいけるぞぉ!!
・・・と思ったのは一瞬だけだった。
クマは体を暴れさせ、俺を吹っ飛ばした。
そして地面に倒れた俺の腹部に爪を刺した。
俺は・・・また・・・。
・・・まただ。
これはもう・・・確定だな。
どうやら俺は、死んでも生き返るらしい。
だが普通に生き返るのではなく、新たに誕生して生き返る形らしいな。
実際に目の前には俺の死体が三つもある。
その内二つは完全に腐っているが・・・。
クマはまた突っ立っていた。
だが、顔の怪我はそのままだった。
この怪我が、夢でないことの証拠だな。
しっかし・・・、なぜこのようなことになっているのだろうか?
まったく理解できん・・・。
・・・とりあえず、クマを倒してから考えるとしよう。
・・・それから何十回俺は死んだのだろうか。
胸を爪で突き刺され、腹を爪で刺され、頭を喰われ、体の骨を砕かれた。
そんなことが続いた。
戦っていくうちに、クマが俺を不思議な目で見ていたこともなんとなくわかった。
まあ、何度も生き返っている光景はクマじゃなくとも驚くだろうな・・・。
俺自身だって、何故このようなことになっているか全く理解不能だった。
ただ、クマを倒すまでは深く考えることをやめていた。
戦う内に、だんだんクマと対等になってきた。
きっかけは俺のある変化だった。
ついさっき俺は胸板の厚さを気にしたが、それは間違いではなかった。
その後も俺の体には幾つか変化があったからだ。
胸板以外にも、爪の硬度、歯の鋭さ、身体の柔らかさ、そして毛髪の減少だ。
なぜだか分からなかったが、俺が死ぬ度に変わっていった。
・・・だが、数回死んでついに気付いた。
全部、死ぬ直前に俺が望んだことだった。
「爪が頑丈だったら」、「歯が鋭かったら」、「身体が柔らかかったら」、「もう少し髪が少なかったら」と。
実際胸板のときも、思い返したら俺は筋力を欲しがっていた。
それが叶ったのだ。
そして数十回の死の末、俺はついにクマを討ち取った。
クマを地面に倒し、首を噛み千切ったのがトドメだった。
さて、クマを倒したことだし、本題に入ろう。
俺は俺の死体から服とズボンを脱がせ、それを着た。
思えば、ずっと全裸で戦っていたのか・・・。
まあ、服を着る暇が無かったからな。
俺は銀行で殺されたはずだが、森の中にいた。
これに関しては、全くわからん。
とりあえず、今は置いておこう。
もう一つは、俺が死んでも蘇ることだ。
そして蘇る内に俺の体は理想通りに変わっていった。
これも不明だが、一つ思い出したことがある。
あの不思議な「声」だ。
確か「≪力が欲しいか?≫」だったか。
あれが関係あるのだとしたら、俺が望んだ『決して誰にも負けない力』というのが、この能力のことか?
・・・確かに死ぬことはあっても負けはしないな。
そして、俺の理想の身体にもなれるしな。
もしそうなら、「違う、そうじゃない」とツッコミたいところだが・・・。
・・・だが、確かにこの力なら俺の理想を叶えることができるかもしれん。
俺の理想・・・『悪党たちから人々を守る』・・・。
・・・できるかもしれない。
この力があれば・・・。
とりあえず、この森を抜けよう。
ここは、どこなんだ・・・?






