ケンティーの救出
エイテサウザ軍にも様々な役職があります
とりあえず今はケンティーを助けることが最優先だ。
藤野にはもう逃げるなんて選択は無かった。
さっきケンティーが撃たれた所から曲がり角を曲がって今ここにいるため、ケンティーがいるのはすぐそこである。
藤野は壁から覗くようにして人がいないかを確かめる。
「よし、今だ!」
銃撃戦はまだ続いているが、近い場所でもないし、エイテナーも今は飛んでいない。今度また爆撃があったら確実に死ぬ。
藤野はさっきいた場所まで走って戻ると、瓦礫をかき分けケンティーを探し始めた。
「おい!ケンティー!どこだー?大丈夫かー⁈」
必死に無数の瓦礫を持ち上げ、声をかけ続けるが、一向にケンティーの姿は現れない。
さっきのエイテサウザ軍の奴らに連れられたか...?
自分の予想が妙に当たってそうで、藤野は嫌気がさした。
その時、
「おい!お前は誰だ!ここで何をしている!」
背後から、声をかけられた。
横目で後方を確認する。
「エイテサウザ軍か...」
テロリストの黒い服ではないので、エイテサウザ軍だと識別する。
しかも一人だ。さっきの大勢いた奴らではない。
ここはケンティーを救うためにも、コイツを有効活用するか...。
藤野は例の力を使った。
「やぁ、俺だよ俺」
「ッ‼︎シュガロフ将軍でありましたか!」
シュガロフ将軍の顔は使い勝手がいい。
「シュガロフ将軍、先ほどテロリストの無線機を手に入れました」
「うむ、そうか。では私が預かろう」
「こちらでございます」
無線機か。良いものを手に入れた。
ケンティーを助けるためには、テロリストを仲間にすることがまずは近道だ。
「では、私はこれで」
「うむ、ご苦労」
そいつは、俺にテロリストの無線機だけを預けていなくなった。
まずは、高い建物だな...。
藤野は颯爽と歩き始めた。
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強烈な光が目を刺激する。
「...?ここは...」
「目を覚ましたかい、ケンティー君」
ケンティーは目を覚ますと、全く知らない所にいた。どこかの施設だろうか。
自分は仰向けの状態で誰かに話しかけてられている。
「おまえ誰だ!うっ...」
「まだあまり動かない方が良い。痛むからね」
「おまえは...誰だ...⁈」
「そんなに警戒しないでくれたまえ。私はエイテサウザ軍特別技術班チームリーダー、オヤマダである」
特別技術班?何されるんや?