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青高ドグマ  作者: 超暖房
4/10

ケンティーの正体

藤野よりケンティーの方が、背が小さいです

「おまえ、ケンティーか...?」

藤野は目の前の男に問うた。


その男は、藤野に背中を向け、拳を上に突き上げたまま微動だにしない。


さっきの巨大な瓦礫は拳でかち割ったのか...?


「お、おい...なんとか言えよ」

「...そ、その声もしかして藤野か?」


男は後ろを振り向く。

予想通りケンティーである。


「なぜ藤野がここにいる!ここは戦場だぞ!!」

「ケンティーこそ、避難せずに学校を出てなぜここに来たんだ!そんでその服!!」


ケンティーはさっきまでのキチっとした制服とは違って、ぴちっとした青いタイツのようなものを着ていた。はたから見れば、戦隊モノのコスプレのような...ヤツである。


「藤野の目を盗んで学校を出てきたつもりだったが、やはり見られたか...」


ケンティーは深くため息をつき、口を開いた。


「...俺はオクタゴンに所属している」

「おまっ、オクタゴンって...」

「オクタゴンといっても下っ端のほうだ。バイトヒーローと呼ばれる部類だよ」


オクタゴン。エイテサウザの日本占領の際につくられた警察組織である。ほぼ警察と変わらない。


バイトヒーロー。聞いたことがある。広告やCMでも見たことがあるが、本当に存在していたのか。


「バイトヒーローだって?」

「別名、緊急特殊災害救助隊。滅多に起こらないテロのようなものが発生した際、救援に向かい、行動や功績に応じて給料を貰える、という仕組みだ」

「なら、お前は給料のために...」

「なにも、そのためだけじゃない。それに、しっかり訓練も受けているから大丈夫だよ」


まさか、クラスメートがヒーローで日々、訓練を受けていたなんて...。


でも、緊急特殊災害なんてものが、今、青巻市で起きていることを藤野は再認識した。


「それはそうと、その...かかっている緑色の液体はなんだ?」

「え...?」


右手を見ると、さっきまで右手に握っていたびんが割れて、中身が空になっている。


「まさか...」


その時、藤野は悟った。さっき感じた冷たさは、これだと。


緑色の液体は、藤野の頭から肩まで思いっきりぶっかかっていた。きっと、瓦礫から頭を守ろうとして、衝撃でびんが割れてしまったらしい...。


「うわぁっ!どうしよう!やばいやばい!」

「やばいってどういうこと⁈なんなのこの液体⁈」


焦って拭き取ろうとするが、恐ろしいスピードで消えていく。まるで皮膚に吸収されていくように...。


その時、


「手を上げろ。テロリストよ」


男の低い声が聞こえる。

前を見ると、数人が並んでこちらに銃を向けていた。


機動隊のような黒い防護服を身にまとい、ヘルメットのようなものもしている。しかし、明らかにテロリストの服装とは違っている。


さっき声をかけてきた男は、高貴な服を着ていてまるで無防備だ。偉いやつなんだろうか。


「さっさと手を上げろ」

「なっ...」


彼らの胸についているエイテサウザ星軍のマークが、藤野を戦慄させる。

エイテサウザ星軍のマークは、∞を2つ組み合わせたようなマークです。シンプルです

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