決着からの始まり
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魔界の闇騎士との戦いはまさしく激戦だった、両国一丸となって共闘したおかげで、なんとか闇騎士の殲滅には至ったが、かなりの被害が出た、たった闇騎士100に対して甚大な被害が出ていた。
バベルとハクがラドルフの元へ駆け寄る。
「ラドルフ大丈夫か?」
「あぁ・・・なんとか生きてる・・・」
「バベルは、流石だな・・・」
「もういい、今は回復に専念しろすぐに助けが来る」
「大丈夫だ・・・このくらいでは・・くたばらん」
ラドルフも獅子奮迅の如く槍を振るったが、その体に負った無数の傷跡が壮絶さを語っていた。
そしてジュリアが駆けつける
「三人とも無事か!」
「俺とハクはまだマシだが・・・」
「ラドルフ・・・」
「救護兵ここにタンカだー!」
「大丈夫で・・す、姫、歩いて・・」
「無理をするな!」
「我の背を貸そう」
そうして如何にか立ち上がったラドルフをバベルが肩を貸しハクに跨らせる
「かたじけ・・ない」
すぐに本陣へ運びどうにか一命は取り留めた。
ジュリアが被害確認すると帝国約5000共和国約5000で一万近い被害が出ていた。
「な・・・なんなんだ・・・あいつらは・・・」
もしこの場にバベル達が居なかったら被害は壮絶なものになっていたであろう。
共和国のヴォルグ将軍も辛うじて無事の様だった。ジュリアとの間で一時休戦と闇に対しての共闘体制の作戦会議を後日話し合う事を約束し各国へ帰還することとなった。
また闇の男が口にした事については、緘口令を敷く事になった。
帝都への帰還への皆の足は重かった・・・これからどうなるのか、表情はけして明るくは無かった。
そしてジュリアも心のうちは不安だった、(一月後にあれがまた来るというのか、恐らくは、あの闇騎士で勝つつもりは無かったはずだ、ただ力を見せつけて行ったんだろうが、実際にはどれほどの戦力で来るのだ、しかも帝都にあれがいきなり出てきたらどうするんだ、帝都周辺を結界で覆うか、課題は山積みだな・・・)そして思わずバベルに心の内を漏らした。
「もしあの時あれが開戦中に現れていたら・・・」
「いろいろな意味でバベルに救われたな・・・」
「本当に助かった、バベル・・・」
「なに、約束を果たしたまでさ」
「それに、これからだぞ。」
「それは、今後も力を貸してくれると言う事か?」
「だから乗り掛かった舟だって言ってるだろ。」
「それに、あいつとは決着を付けねーとならねー、デュークとはな。」
「そうか・・おまえっていい奴だな・・・」
「なんだよ!いつになく弱気じゃねーか、ビシッとしろよ戦姫」
「お前がそんなんじゃ、調子狂うし、他国に笑われんぞ!」
「あぁ・・そうだな・・すまない。」
「こういう時こそ私がしっかりしなければ。」
そうしてジュリアは胸を張って深く深呼吸した。
そうして遠くまで聞こえる様に大声で言った。
「お前たち!胸を張って歩け、我々は勝利したのだ!」
「その程度の怪我がなんだ、それでも帝国軍か!」
それはまるで自分を奮い立たせようとするかのようだった。
その戦姫の号令でビシッと気合いを入れなおす兵たち。
バベルはそのジュリアを見てニヤリとした。(それでこそ、戦姫だ、まだ俺たちは負けてねぇ)
それからしばらくして、帝都へ凱旋した。
ジュリアは第一の功労者としてバベルに皇帝への報告に同席してくれと言ったが、バベルが俺を絞首刑にさせたいのかと言ってきたので大事を取って休んでると言う事にした。
そしてジュリアは皇帝陛下に戦果とバベル抜きでは今の現状は在り得なかった事を報告した。
同時に帝国に迫る危機についても報告し、共和国と共闘する必要がある事を内々に告げた。
バベルが部屋に戻り一息つこうとするとアンナと何かが椅子に座っていた。
「おかえりーバベル君大活躍だねーフリフリ」
「おかえりなさいバベル様~無事で何よりです~」
「あぁ、ただいまアンナ」
「ってお前はどこから入り込んだ、くそ女神!」
「まぁまぁ、あたしとチミの仲じゃないか」
「ちょうどいいお前に話がある」
「あの闇の男の事だね」
「そうだ、なんかお前知ってるか?」
「よりによって一番やっかいな奴に闇の力が受け継がれちゃったね」
「なんかわかったのか?」
そして、フレイアがあの男の事について調べた事を話し始めた。
~~人はだれしも最初から悪ではない~~
デューク・ロック・モンティエロもそんな一人
人間と魔族のハーフ
母親は高貴な貴族の娘だった、魔族に攫われ弄ばれ
そしてお腹に子を宿す。
その家はその事実を隠し
子に罪は無いと生み、育てるが、悪魔の子と噂され、蔑まれ
その子が幼い時に母親は、病気で亡くなった。
その子はこの世を呪いながら生きた、闇を育てながら
元より魔族の血のおかげで格闘センスは抜群で
戦士養成学校でも成績はトップその国でも一番の戦士になった。
しかし魔族の噂のせいで国の要職にはつけなかった・・・
そして闇は爆発した、国の要職に就く者達を片っ端から殺戮し、
そしてその男は国を出て海を渡りこの地へ来た、そしてさらなる闇と力を手に入れた。
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「っというわけなんだけど、この地に魔族を率いて大帝国を作ろうとしてるらしいのよ」
「全く、バベル君が魔王やっちゃったからあいつが好き放題なのさ」
「お前が闇までまき散らすからだろうが!」
「しっかり封じとけ!」
「それを言われるとつらたん・・・コテ」
「そこでだね、このあたしがバベル君に協力してあげる!」
「おぉ力返してくれるのか?」
「それは、できない」
「できないんかーい」
「でも、どこに何の力が行ったかすぐ見つけれる」
「おお集めて来てくれるのか」
「それも無理」
「無理なんかーい」
「あたしは力を吸い取ってその人の中に封じる事しかできないから、奪い返すのはバベル君の仕事」
「ってことでビシバシ行くよ!」
「ぉ、おう」
「ってかあいつの闇吸い取って封じればいいんじゃね?」
「それも考えたけどーまたまき散らしちゃいそうじゃん?」
「あいつ真っ黒だもん、昔のバベル君以上」
「ったく、使えねーな」
こうして三人と女神は来る日に向けて、大急ぎで残るバベルの力を取り戻す旅に出ることに決めるのであったが・・・
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