ベルランテ帝国の大将軍
よろしくお願いします。
迷ったけどバベルが大人しく従ってくれたので、
帝国軍編書きます。
そして城に戻ると機嫌悪そうなジュリアが待ち構えていた。
「あんたねぇ、自分の立場が解ってるの?」
「用を済ませたらすぐに、戻りなさい!」
ハイハイ、といった感じでバベルは肩を窄めて見せた。
「だから、早く帰りましょうって言ったのに、バベル様・・・」
ジュリアはそれを見て怒りが収まらないのか、バベルに言い放った。
「戦場に出る前にあなたの実力を確かめてやるからこっちに来なさい!」
そのまま、闘技場のような所に連れて行かれた。
「そこから好きな武器を取りなさい!」
壁には無数の武器が立てかけられてあった
「いやー俺はこれでいい」
そう言ってバベルブレイドを発動して両手に硬質化させるオーラを纏った、それは手刀にすれば鋼のような鋭利な刃物と化し、拳にすれば鋼のハンマーと化すからだ。
「そんな物で私の剣が受けきれると思うのか・・・」
ジュリアにとっては単なる素手で、相手にされるのかと思ったのだろう。
「行くわよ」
そう言ってジュリアは、バベルの懐に踏み込んで剣を抜いた、それは確かに素早い抜刀の一撃だった。
ガキーンという音とともに、簡単に手で振り払われるその一撃。
「な・・・」
(馬鹿な・・素手で剣を振り払った?・・・何かの対物理スキル?)
バベルはオーラディフェンスも発動して無かった・・・
「ならばこれは受けきれるからしら?」
「桜花千刃乱舞」
そして無数の剣による突き技を発動した。
半ば欠伸をしながら、カンカンカンカンと心地よい音色を立てながら其の全ての刃をいなした。
「なぁ、もうケガする前にやめとかねーか?」
「このぅ・・・」
顔を真っ赤にしながらジュリアが果敢に切り込もうとするところに一人の男が現れた、その男の気配に、バベルは只ならぬ強さを感じ取った。そしてバベルと目が合った。
「何やら楽し気な音色が聴こえて来たもので」
その声にジュリアが振り向く。
「おっと、お邪魔しましたかな姫」
そう、この男こそベルランテ帝国の大将軍ラドルフであった。その武勇は近隣諸国まで轟かせる程であり、その顔立ちは正に勇猛な武人を思わせるものであった。
「おぉ、そちらは噂に聴こえしバベル殿か」
ジュリアは、ニィと口角を上げた、ラドルフに相手させてバベルの実力を見ろうと思った。
「ちょうど良かったわ、そのうちバベルに紹介するつもりだったから」
「こちらが、ラドルフ・ローグ将軍」
「ラドルフだ、今度供に戦場で戦えると聞いて楽しみにしていた、よろしく」
「バベルだ、よろしく頼む」
ニィと不敵な笑みを浮かべながらジュリアは言った。
「ちょうど良かったわ、ラドルフ将軍、バベルと手合わせしてみない?」
「いや姫さすがに邪魔しにきて、初対面で挨拶交わしてすぐは、如何な物かと・・・」
「俺は構わない」
「二人がそう言うのなら・・・」
そう言いながら、ラドルフは待ってましたと言わんばかりの顔を見せた。
「では、一度その武、拝見させて頂こう」
そういうと無邪気な笑顔を浮かべながら、槍を取るラドルフ。
「バベル殿が武器を使わないのは知ってるが、俺はこの槍を使わせてもらうがよいか?」
ラドルフは槍の達人であった、その戦場での雄姿は、赤き砂嵐との二つ名が有る程、血煙を舞い上げながら敵陣に切り込む姿は、近隣諸国の敵を震え上がらせていた。
「あぁ構わない」
そうして中央で対峙する両雄・・・
そこに居るものがその闘気に緊張感を覚えるほどだった・・・
バベルも体の芯が熱くなるのを感じた、それはラドルフも同じだった、強き者ほど相手と対峙すればその力量が解ってくる。
見てる方が生唾を飲み込みたくなる程緊張感が高まり、先に仕掛けたのはラドルフだった。
「我が槍の一撃受けてみよ!」
バベルを吹き飛ばしてしまうんじゃないかと思われる、剣風を巻き上げながら突き放たれるその槍技、
敢えてバベルはオーラディフェンスを纏い両手に硬質化をし受けた、その衝撃たるやすさまじく、ものすごい音を響かせてバベルを5m程後ずさりさせた。
そして一瞬にして間合いを詰め今度はバベルの拳が突き放たれる、敢えてラドルフも槍を横に構え受けて見せた。ドゴーンとすごい音を響かせて、ラドルフを押し戻した。
両雄ニィと口角が上がる次の瞬間、お互いの闘気が一段と高くなりそれぞれの技が放たれようとした。
「バベル波動!」
「竜撃砲」
その時だった、「そこまでえええ!」
ジュリアが堪らず止めた。
「あんたたち闘技場を破壊するつもりなの!」
ラドルフが満面の笑みを浮かべながら
「いやーつい熱くなってしまいました、姫様すみませぬ」
「一瞬で熱くさせるバベル殿が悪い、ガハハハハ」と豪快に笑った。
「さすがは、ベルランテ帝国の将軍だ」
「バベル殿にそう言ってもらえると嬉しい限りだ、ガハハハハ」
お互いの強さの底は見えなかったが最初の力比べは互角のようだった。
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