皇女に仕える
第三章スタートです
よろしくお願いします。
~~~皇女に仕える~~~
次の日ジュリアに呼ばれたバベル
「分かってるとは思うが、一応、一時的だが、お前は私就きの騎士と言う事になってる。」
「分かんねーよ」
「俺は今まで人に就いたりとかしたことねーんだよ」
「分かってる・・・表向きで構わない・・・」
「あの場を治めるには、あー言うしか無かった・・・全く」
はぁ~っとため息をつくようにジュリアが漏らした。
「それには感謝してるよ・・・」
「んで、何すればいいんだ?」
「特には何もしなくていいわ、用があれば呼ぶから、外出する際は声掛けてちょうだい。」
「外出ても構わないのか?」
「行先さえ言ってくれれば構わない」
「分かってるとは思うけど逃亡とかしたら昨日のは台無しに・・」
言い終わる前にバベルがめんどくさそうに答えた
「分かってる、俺もそこまで馬鹿じゃねー」
「第一逃亡するくれーなら、端からここまで来ねーよ」
「早速だがアンナ達連れて、帝都を少し見て来たいんだがいいか?」
ジュリアは、全くこの男は自分の立場が解ってるのかと言いたくなったが、これまでのバベルからしたら、頑張ってる方だと思い仕方なく許可した。
「・・・分かったわ」
そしてバベルはアンナの所へいく。
「おはよーございます、バベル様。」
「あぁ、おはよう」
「どうしました?」
「少し帝都を見て回ろうと思ってな」
「分かりました、すぐ用意しま~す。」
そしてハクも誘って、帝都を見て回ることにした。
城を出て町の方へ行くと、流石は武力を重んじる帝国の帝都の様で、道場のような看板を掲げてる所があり、中を覗くと、剣の稽古や組手を主体に切磋琢磨してるようだった。
どこも少年から青年達が多く中には女性も見られた。
「なんか活気のある町ですねー」
「流石は武力国家って所か、アンナも鍛えて貰えばいいんじゃないか?」
「大丈夫です、ここに鬼教官がいますからぁー」
ハクも人間の世界の様子に興味深々といった感じで道場を食い入る様に見てた。
またあちらこちに武器屋や防具屋といった店が並んでいた、そのうちの一軒に道具屋の様な店で賑わってる所があったので、入ってみることにした。
そこでは、マジックアイテムなる物が売られてるようで、色々な種類があった。主に冒険者等が中心に買い求めて行くようだった。そんな品々を見て回ってるとそこの店主と思わしき者がバベルに語り掛けてきた。
「あんたのその首に掛けてる物良く見せてくれんか」
「ん、これか?」
グイっと片眼鏡のようなもの付けて首飾りを覗き込んでくる。
「そ、それは・・どうしたんじゃ?」
「友からの貰い物だ」
「あんたその価値が解ってるのか?」
その店主が鬼気迫る勢いで顔を近づけてくる。
「なんかお守りだとか言ってたぞ」
そう言って離れようとするバベルだが、じわじわと近寄ってくる店主。
「お守り・・・できれば其れを譲ってくれんか!」
「それは、無理だ」
「金は幾らでも払おう、幾らじゃ!」
バベルは友からの贈り物を売る気は無いときっぱり断ったが、しつこく纏わりついてくるので、振り払って店を出てきた。
「なんだ、あの親父、これってそんなすごいものなのか?」
「それは、父上が大事にしてた宝の一つだ」
「この世に二つと無い品らしいぞ、なんでも闘神の力が込められてるとか」
「お守りとか言うから簡単にもらっちまったけど、良かったのか。」
「父上が友と呼ぶもの等おらぬからな、バベル殿はよほど特別なのだろう」
「バベル殿が居なくなって、しばらく寂しそうに下界を眺めてたのを覚えている」
「そっか、大事にしないとなぁ」
「機会があれば、今度酒でも持っていこう」
と、その価値が解ってるのか、呑気なバベルであった。
あまりうろつくとジュリアに怒られるかもしれないと、アンナが心配するから一旦城に戻ることにした。
読んで頂きありがとうございます。
バベルが、人に仕えるなどあるのかと思いつつ
昔のバベルではないので、なんとか表向き仕えてくれるとの事でホッとしました(笑




