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シンラくんが取り出したのは、丸い黄金のような輝きを放つ透明のガラス玉がぶら下がった首飾りだった。
長さは胸元まであり、ガラス玉の中には幾つかの星が散りばめられている。
多分、シンラくんのお手製ニャ。
「えーナニコレ?」
ダッサ! とでも言いたげな、小馬鹿にした笑みを浮かべながら、モミジ先輩が手に取る。
「明日はこれを身に着けてくるよーに!」
シンラくんはガラス玉の首飾りを僕らに人数分、手渡した。
「ウフフ……何だか秘密のアイテムみたいね」
卯月さんは早速そのネックレスを首に掛けてみた。
いやいやいや、卯月さん、それ全然〝秘密〟になってないですけども!
何故ならば、そのガラス玉は握り拳ほどの大きさなのだ!
まるでドラゴンボールのようだった。
え、流石にこれは無理じゃない? 絶対先生に没収される気がするんだけど!
いや、それ以前に周囲の視線が気になってしまう……。
「ん、どうしたんだ? 猫宮。まさか、着けるのが嫌だとか言うんじゃないだろうな?」
シンラ君に心の内を見抜かれそうになり僕は慌てて首飾りを首にかけて言った。
「いえいえ滅相もございませんっ!」
「よし! じゃあ折角だからこの首飾りに特別な名前を付けようじゃないか!」
「え、名前、ですか?」
「そうだ。この特別なアイテムに相応しい名前が必要だろう。各々、明日の朝までに素晴らしい名前を考えておくように!」
シンラくんは皆にそう言って解散を言い渡した。
面倒くせぇえええええええええええええええ!
僕は帰宅してようやくベッドに潜り込んでも、ネーミングのことで頭がいっぱいでなかなか眠りにつくことが出来なかった。
シンラくんに課せられた明日の朝までの宿題だからだ。
名前? このダサい首飾りの玉に名前!?
みんな、どんな名前考えてくるんだろう……? 中二っぽいカンジで来るかな?
僕だけダサかったらどうしよう? あーもう、全然思いつかないよ!
もうさ、〝ドラゴンボール〟で良くない? ドラゴンボールでしょ? これ。
でも、そんなこと言ったらシンラくんに怒られそうだしなー。
結局、僕は最後まで何も思い浮かばず、いつの間にか眠ってしまっていた。




