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「取り敢えず明日から毎日、始業一時間前の朝練と、昼休憩と放課後に屋上へ集合し、三日後の本番に向けてみっちり交信の練習をするからな! お前達、ちゃんと来いよ!」
「分かりましたーっ!」
シンラくんに言われて僕らは了解した。
「ところで今何時ニャ?」
僕は思い出したように腕時計を見た。
なんと、時刻は深夜の一時になっていた。
「ちょマジかッ!」
僕は思わず大きな声で叫んでしまった。
信じられない……四時間以上も屋上でグルグル回っていたなんて!
「急いで帰らないとヤバイですよ!」
加枝留くんも時計を見て言った。
今から急いで帰ってシャワー浴びたら、ほとんど寝る時間無いニャ!
僕らは逃げるように散り散りになって急いで家路へと走って帰った。
結局、家に着いてシャワーを浴び、寝床に入ったのは深夜二時。
僕は夢の中まで屋上で呪文を唱えながらグルグルと回り続けていた。
翌日、早朝からシンラくんの指導の下、朝練が始まった。
「おはよう、諸君! よくぞ集まったな。上出来だ」
シンラくんは朝からピンピンとして、とても元気だった。
対して僕は約四時間しか寝られなかった上に、夢か現実か分からないような悪夢を見たせいか、目の下に隈が出来てしまった。
モミジ先輩は大あくびしているし、卯月さんに至っては器用にも立ったまま安らかな寝顔で眠っている。
いや、まあ、卯月さんに関しては遅刻しなかっただけでも進歩と言えよう。
「猫宮くん、大丈夫ですか?」
加枝留くんが横で僕のことを心配してくれてる。
「う、うん、ありがと……」
しかし、弱音を吐いてはいられない。
今日から交信の儀式の特訓だ、気を引き締めねば!