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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter4 未知との遭遇 
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 僕らは屋上の中央で手を繋いで輪になった。

「よし、じゃあ始めるぞ! まず目を閉じて宇宙を感じるんだ!」

 シンラくんは早速指示を出した。

「宇宙を感じるって何よ?」

 仕方なく付き合わされてるモミジ先輩が目を閉じながら愚痴る。

 確かに意味が分からないニャ。

 取り敢えず僕らは目を閉じて宇宙を思い浮かべた。

「そして彼らに《メッセージ》を送るんだ。『パッパラプト・ポッポルンパ・プピリッポ・パロ』」

 ん? ちょ待てよ……。

 その呪文……ていうかテンポ? リズム?

 物凄く聞き覚えがあるような感じするんですけど!

 何か似てない!? え、僕だけかな?

 いや、きっとみんなもそう感じてるよね?

 みんな黙り込んでるけど……!

「おい、どうしたお前達。早く復唱しろ」

 僕らが黙ってるとシンラくんが促すように言った。

 復唱? 今のを?

「た、タッカラプト……」

「違う! 『パッパラプト・ポッポルンパ・プピリッポ・パロ』だッ‼」

 僕が間違えると、シンラくんから激しいお叱りを受けてしまった。

「あ、あぁ。そうだった。ご、ごめん、えーっと、パ……パッパラット……」

「違う! 『パッパラプト・ポッポルンパ・プピリッポ・パロ』だッ‼ いい加減にしろッ!」

「は、はい! すみません……! えっと、パッパラプト・ポッポプンパ……」

「『ポッポルンパ』だッ‼ お前ふざけてんのかッ!?」

「いえ、決してそんな……!」

 どちらかと言うとこの場合、シンラくんの方がふざけてるんじゃないのか?

「パッパラプト・ポッポルンパ・プピピッポ・パロ!」

「違うっ! 何度も言わせるな! 『パッパラプト・ポッポルンパ・プピリッポ・パロ』だ‼」

 仮に覚えてもうっかり噛んでしまうニャ!

 そんな、人生に何の役にも立たないであろう呪文を完全にマスターするのに、僕は五分程費やしてしまった。




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