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「僕は瞬時にそれが地球外生命体、宇宙人だと直感した」
「意外と冷静なんですね、そこは」
加枝留くんまで突っ込みを入れてるけど、構わずシンラくんは話し続ける。
「しかし、そこからどうしたらいいのか分からず、僕は身動き一つできなかった。そんな硬直した僕を見て宇宙人は口元に笑みを浮かべて、痩せ細った長い指を一本、僕の目の前の窓に押し当ててきた。部屋の中にいる僕と、ベランダにいる宇宙人を隔てるのはその一枚の窓だった。僕は窓に押し当てられた指先を見て、その行為が宇宙人からの『友好の証』だと感じた。それに応えようと、僕も窓越しに指先をくっつけた。その瞬間、心が通じ合ったような気がした……」
『E.T.』かよ!
僕だけじゃなくその場にいた全員が思わず心の中で突っ込んだことだろう。
「しかし、そこから更に強い光が差し、視界は真っ白になった。意識を失い、気付けば僕はベッドの中にいて、朝になっていた。とても貴重な体験だった……」
瞳を閉じ、大切な思い出のように語るシンラくん。
「単に夢でも見たんじゃない?」
モミジ先輩が呆れたように半眼で言った。
するとシンラくんはムキになって断言した。
「いーや! あれは現実だった! 彼らは一度だけ地球に降り立ち、僕に会いに来てくれたのだ。きっと何か特別なメッセージを伝えようとしていたのかもしれない!」
うーん。限りなく夢の可能性が高いぞ。
「それ以来、僕はもう一度彼らに会えるんじゃないかと、こうして毎日毎日、宙に向かって呼びかけているのだ」
こんなことを何年も続けてるシンラくんが、ある意味、凄いぞ!
「で? 成果はあったの?」
モミジ先輩が面倒くさそうに聞いた。
「あぁ! 僕のメッセージが届いたのか、最近になって彼らを近くに感じるようになったのだ。段々、此方に向かって来ている気がする……!」
「ははっ……そうなんだ……」
僕は乾いた笑いをする他なかった。




