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「それよりマンゾーくん……」
僕は本題に入ろうとしたが、万象くんは僕の言葉を遮って言った。
「下の名前で呼ぶんじゃない、上の名前で呼べ!」
「え? えっと、じゃあ、シンラくん?」
「よろしい!」
森羅万象くんは腕組みをして満足そうに言った。
何だろう……自分の名前が気に入ってないってやつかな?
確かに名前の響きがジジくさ……じゃない、こう、若さが感じられないけど。
「アンタなんか万象じゃなくて小象でしょ。『小僧』って呼ぶわ」
モミジ先輩が、もはや恒例の、不名誉なあだ名を早速付けたニャ。
「小僧とはなんだ、失敬な」
「いや、僕の『青ガエル』より遥かにマシですよ」
被害者の一人である加枝留くんがそっとフォローを入れる。
因みにもう一人の被害者・稲荷桔音くんは『キツネ野郎』って言われてるニャ。
それはともかく、僕らは、シンラくんに各々自己紹介を済ませると早速本題に入った。
「えっと、シンラくんは一人でこんな時間に何をしているのニャ?」
「何を? 勿論、『交信』に決まっている!」
「交信?」
僕らオカルト同好会は思わず顔を見合わせた。
そして僕が代表で再度シンラくんに尋ねる。
「あの、交信って……所謂、宇宙人との?」
「そうだ」
シンラくんは短く答えると煌めく夜空を見上げた。
僕らも倣って夜空を見上げる。
うーん、改めて見ると何処か神秘的なものを感じるニャ。
「これは……一応、オカルト案件よね……」
モミジ先輩が僕らオカルト同好会の面々に確認するようにボソッと呟く。
「……ですね」
加枝留くんが答える。
そう、これはオカルト案件ニャ。
幽霊を期待して来た僕らだけど、これはこれで〝アリ〟なのかな。
宇宙人とのコンタクト……それは未知との遭遇である。




