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僕らは警備員さんに見付かることなく順調に屋上までの階段を駆け上がった。
そして扉の前まで辿り着くと、一呼吸置いて、先頭を歩いていた僕が代表としてドアノブを回した。
力を込めてそのままそっと前へ押すと扉は何の抵抗もなく開いた。
(開いてる!)
僕はドアノブを握ったまま、背後の皆に振り返って小声で伝えた。
(やっぱり“誰か”いるんだわ!)
モミジ先輩は息を飲んで言った。
(あら、“幽霊”じゃなかったの?)
卯月さんが突っ込みを入れる。
(とにかく外に出て確認してみましょう!)
加枝留くんは半開きのドアの隙間を覗くように言った。
そうだ、屋上に出て人影があるか確認しなくては!
僕はドアを完全に開いてみせた。
そして目に飛び込んできた光景……
それは雲一つない澄んだ美しい夜空と月明かりで白く光る屋上のコンクリート。
そして中央にポツンと佇む一人の少年の後ろ姿。
「ひっ」
本当に人影があったことに思わず声を出してしまうモミジ先輩。
すると少年は僕らの存在に気付き、振り向き様に叫んだ。
「誰だ!」
うわっ、何か話し掛けられてしまった!
よく見ると神輿高校の学ラン着てる!
ということはここの生徒に間違いないニャ。
ひとまず幽霊じゃなさそうなので僕とモミジ先輩はホッと一息ついた。
密かにカメラを構えていた加枝留くんと、除霊を楽しみにしていた卯月さんは、がっかりした様子だったけど。
「き、君こそこんなところで何をしているのニャ?」
僕はそう言い返しながら彼の元まで歩み寄った。
改めて近くで見ると見覚えのある人物だった。
「き、君は確か、森羅万象くん?」
「そのとーり!」
森羅万象くんは腰に手を当ててふんぞり返るように返事をした。




