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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter3 魔像と時空の扉
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 その時、老女の側の茂みから謎の人物が突如飛び出してきた。

「っしゃあああーっ! アタシの出番よぉおおおおっ!」

 (いか)ついガタイに金髪のウィッグ、プツプツのお(ひげ)に何処で買ったのか突っ込みたくなるような真っ赤なバブリーなボディコン姿の、見るからにオカマな人が全速力で銅像に向かって走ってきてるーっ!

「あ、あれはーっ!」

 とか何とか叫んでみたけど、誰だかサッパリ分からないニャ!

「な、何じゃお前はっ!」

 老女がオバちゃんの登場に動揺してるけど、オバちゃん、完全無視で突進してきてるーっ!

 何この謎な展開ーっ!

「どいてどいてーっ! 邪魔よッ!」

 ドーン! と、遠慮なく目の前の老女を突き飛ばして、そのオバちゃんは迷うことなく一直線に渦の中へと飛び込んでいった。

「えぇえええーっ!?」

 そして渦はオバちゃんを飲み込んで、そして小さくなって消えてしまった。


 渦が消えると、まるで力を使い果たしたかのように銅像から次々とヒビが入り、ぼろぼろと崩れて瓦礫(がれき)と化した。

 それは以前見た燉一教事件の最後を思い起こさせる光景だった。

 多分、町中に設置された像も同様に崩れたんじゃないかな……。

 そして後には老女と僕らだけが取り残された。


「い……一体、何だったの?」

 オバちゃんと共に消えていった渦の方を、ただ呆然と立ち尽くして見ているモミジ先輩がそう呟いた。



 あのオバちゃんは一体、何者だったのか……?

 オバちゃんはどこへ消えてしまったのか……?

 本当にあの渦は近未来へと繋がっていたのかな?

 なんでオバちゃんは渦の中へと飛び込んでいったんだろう……?


 ―――――今となってはもう分からない。




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