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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter3 魔像と時空の扉
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 杉の木の林に覆われた小さな道路を少し歩くとそのお寺はあった。

 屋根の瓦は割れてるわ雑草は生えてるわで神聖な場所とは思えないくらい手入れされてない……。

 廃墟かと思うくらい随分とボロイお寺ニャ。

 卯月さん、よくこんなところに寝泊まりしていたな。

 ん! お寺の前にあの銅像があるニャ!

 そしてその隣に、銅像とそっくりな老女が白装束(しろしょうぞく)で立ってる!

 あの人が銅像のモデルで設置した張本人に間違いないニャ!


「誰じゃ!」

 老女は僕らを見付けるなり叫んだ。

 ここで怯む訳にはいかない。

 僕も負けじと叫ぶ。

「あの不気味な銅像を設置するのはヤメるニャ! 一体、何が目的ニャ!」

「きえええええええええええええっ!」

 老女は僕の質問には答えずいきなり奇声と共に攻撃を仕掛けてきた。

 あの婆さんが大きな数珠を振りかざしただけで謎の砂嵐が巻き起こったのだ。

「イタタタタ! 目が痛いニャ! 顔も痛いニャ!」

 何ていう卑劣な攻撃! まるで砂かけババアにゃ!

 これが霊力というやつなのか!

 いや、どっちかというと妖力ニャ、あの婆さん妖怪にしか見えないニャ!

 すると、オジサンがすぐさま僕らの周りにバリアを張って攻撃を防いでくれた。

 しかし老女の霊力はこれだけではなかった。

 お経だか念仏だかよく分からないようなものを呟きながら謎のお札を投げつけてきたのだ。

 するとバリアが破壊されてしまった。

「きぇええええええええええええっ!」

 再び奇声を発しながら今度は砂どころかその辺に転がっていた(にぎ)(こぶし)くらいの大きさの石を浮かせて僕らめがけて飛ばしてきた!

 オジサンがまたバリアを張って防いでくれてるけど、これバリア破壊されたらモロ石が直撃してくるよね?

 無数の石が何度もバリアに体当たりしてるっ!

 危ないでしょ、こんなの当たったら洒落じゃ済まないんじゃないの?!




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