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「校長センセーイ、あの銅像は何なんですかー?」
僕らが訪ねてくると校長先生は困ったような顔をした。
「それが……私にもよく分からんのだよ。いつの間にか建っていたんだ」
「それ許可なく違法に設置してるじゃないですか! 撤去しましょうよ!」
「いやしかし『愛と平和』を謳っている像を撤去するのは気が引けて……」
「文字に騙されては駄目ニャ! よく見るニャ! あれはただの猥褻な銅像にゃ!」
「学校が駄目なら警察に訴えましょ! マモルさんなら聞いてくれるかもっ」
「マモルさん?」
モミジ先輩の言葉に僕は思わず聞き返した。
僕らの幼馴染の先輩で今は警察官になってる犬飼衛先輩のことを、モミジ先輩はずっと〝犬飼先輩〟って呼んでたのに、最近付き合いだしたのか、下の名前で呼んで調子に乗ってるニャ。
「フフーン、別にいいでしょ!」
どうせ単にマモル先輩に会いたいだけなんじゃないのかと思うけど、モミジ先輩の言う通り、これはもう警察に訴えるしかないニャ。
僕らは学校が終わった放課後に、マモル先輩がいる交番に向かうことにした。
交番に向かう途中、僕らは町の様子に愕然とした。
なんと! 彼方此方に『愛と平和』の老婆の銅像が建っていたのだ!
「確かに朝には無かったのに、物凄い勢いで増殖してる! これは一体どういうことニャ! 町の景観が損なわれてるニャ! 僕らの『宵々町』が汚されてる! こんな嫌がらせをして、一体、何が目的なのニャ!」
「やだぁ、また新手の宗教かしらぁ?」
卯月さんがわざとらしく怖がるふりをして言った。
確かに、『燉一教』とは別の勢力が現れたのかもしれない。




