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「で? どうするのよ? 次の新聞!」
翌日、図書室にて、僕らはモミジ先輩に責められながら、会議で次の手を考えていた。
「取りあえず『稲荷桔音くんのプライベートにお邪魔する企画』を断念した代わりに、写真部の日暮屯菩先輩の『呪いのカメラ』で行こうと思うのですが……」
加枝留くんは呪いのカメラをテーブルの中央に置いてみせた。
「どう纏めるのよ、これだけで」
確かに変なものが写りこむだけのカメラを紹介するだけの内容になりそう。
いや、まあ、これはこれで興味持ってくれそうな気はするけど……。
「先輩こそ、ちゃんとホラー映画のレビュー書けるんですか? て言うか、マモル先輩とのデートどうだったんですか?」
僕は正直、人の色恋なんかに興味ない〝リア充爆ぜろ〟なタイプだけど、一応聞いてみた。
「それがさぁ、ちょっと聞いてくれる? 映画観て~、その後、食事したところまでは最高だったんだけどさぁ~、最後に面白半分で占いの館に行ったのが間違いだったわ」
「何かあったんですか?」
「占い師が言うのよ。『貴方の未来に悪魔が見える、貴女は悪魔に憑かれてる』って」
言いながらモミジはその日の夜の光景……つまり占いの館でのことを思い出した。
マハラジャのような恰好をした胡散臭い占い師の女が水晶玉と睨めっこしながら語る。
『あなた達二人の愛に障害が立ち塞がるのが見える……』
『え、何よ障害って!』
『悪魔よ。悪魔がアナタの財産を狙っている』
『ちょ、財産って何よ! アタシを取り合っての〝恋のライバル出現!〟とかじゃない訳?』
『財産よ、財産。アナタの財産だけ』
『いちいち三回も繰り返すんじゃないわよっ』
「―――てな訳よ」
腕と足を組んでご立腹な様子でそう語るモミジ先輩。
「……どういう意味ですか?」
「知らないわよーっ! こっちが聞きたいわーっ!」
モミジ先輩は絶叫した。
モミジ先輩の占い師の話は謎のまま、結局オカルト同好会の怪奇新聞は一応『呪いのカメラ』で行くことになった。
貼り出してみると案外、好評だったので僕らはホッとした。
でも、このカメラ、本当なんなんだろう……。




