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宵々町奇譚―オカルト同好会編―  作者: Ree
chapter2 悪魔祓い
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「何にせよ無駄な悪あがきだ。とっととブタ箱に送り返してやる」

 桔音くんが赤い炎を手から出してシラタクに向かって投げているのが見える。

 相変わらず容赦なく先制攻撃なのね。

 まるで僕が戦ってるみたいな視界でちょっと興奮してきたニャ。

 シラタクは、すっと息を吸い込むと口からドーッとジェット水流を繰り出した!

 ちょ待てよっ! 避けられないニャ!

 シラタクの攻撃は桔音くんを直撃し、桔音くんの身体は枯れ葉のように舞ってバラバラに散ったけど、すぐに枯れ葉は元の場所に集まり修復した。

 いくら攻撃を受けても、あくまで本体は部屋の中だしなぁ……無敵だよね。

 悪魔の力で魔術を得たシラタクは、掌から水球を繰り出し果敢に桔音くんに攻めていくが、桔音くんはゲームを楽しんでいるかのように圧倒的な力の差を見せつけ、火球でそれを相殺していく。

 本来なら炎の弱点であるはずの水を蒸発させるほどの力の差だ。

 そもそも指折りの魔術師であったサム・スギルをいとも簡単に倒した桔音くんに、魔術初心者で最近まで普通の人間だったシラタクが勝てる訳もなく、トドメの大爆発でシラタクはブッ飛ばされノックダウンした。

 しかも栽培(サイバイ)マンに殺られたヤムチャを彷彿(ほうふつ)とさせるポーズで倒れてるシラタク。

 何だか敵ながら憐れに感じてきた……。

 桔音くんはシラタクの首根っこのシャツを掴むと引き摺るようにして赤い歪みの中へと入り、更にワープした。




 歪みの先で桔音くんは空中で浮いて、とある建物……というか施設のようなところを見下していた。

 何かテレビで見たことあるようなところだなぁと思ってたら、物知りの加枝留くんが教えてくれた。

(此処、フィリピンの首都マニラの刑務所じゃないですか?)

 ホントだ! 沢山の人が収容されてるっ

「此処で雑魚寝(ざこね)でもしてろ」

 桔音くんはシラタクの後ろ襟を掴んでいる手を放して、容赦なくシラタクを囚人の(ひと)(だか)りの中へと放り投げた。

 この人、ほんと迷いなく凄い事するよなぁ……全然ブレテない。

 シラタクもとんだ転落人生だニャ。折角、イケメンなのに。

 でもこれって国際的にも色々問題ありそうだけど、まあいっか。





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