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うーん、闇の世界か……。
僕ら一般庶民の知らない裏社会みたいなものが存在してるんだなぁ……。
「サム・スギルは捕まりましたし、一派も壊滅です。大丈夫じゃないですか?」
僕は少しでも不安を拭おうと思ったけどオジサンの表情は険しかった。
「奴は高等の魔術師だ。肉体が何処にあろうと関係ない」
ええ~っ! そうなのっ?
あの人、遠隔でなんか出来たりするのかニャ? こわ~っ!
もしかして僕らも復讐されちゃうのっ? バッチリ顔見られてるし。
「え、でも桔音くんは凄腕の魔術師なんじゃないですか?」
そう、サム・スギルにも身一つ汚さず勝った訳だし、怖い物なしじゃないの?
なんて楽観的な事を考えてる僕と違いオジサンの深刻な表情は変わらなかった。
「桔音はただの魔術師ではない。だからこそ心配なのだ」
ど、どういうことだろう?
僕がそう聞こうとした時。
先程まで黙ってた桔音くんがハハッと短く笑いだした。
「さっきから何の話をしてるのかと思えば……
心配なんかしなくても僕は負けないよ。
あんな奴ら、返り討ちにしてやる」
「桔音……確かにお前は最強の力を持っているかも知れない。
だが、『完全な存在』ではない。……それを忘れるな」
お父さんは静かに低く、だが念を押すように力強く言った。
僕は先程から、桔音くんとお父さんの微妙な関係が気になっていた。
親子なのに何処か親子とは違う距離みたいなものを感じる。
桔音くんを見るお父さんの目には愛情とそうでないもの……
畏れや憎しみのようなものが入り混じってるような……そんな気がした。




